なお、この記事で第三弾にして完結編。
第一弾は実際に管理人が人気小説7冊の文字数を概算でカウントしてみました。
第二弾は速筆・遅筆の定義を管理人なりに考えてみました。
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映画や漫画などと違い、小説は文字だけで完結できます。日本人の識字率はなんと100%と言われています。ということは、日本に生まれた人であれば誰でも小説を完成させるチャンスがあるということ!
これはつまり、一人でも完成までもっていけること[…]
この記事の見どころ
書く人- 作品完成までにかかる日数の目安を、執筆スタイルと速度から割り出してみました。創作の際のペースメーカーにいかがでしょうか。
- これから作品を書くという時、完成までの目安が出ることで応募する新人賞の選定に役立つ、かも。
- 作家志望者の執筆ペースなど、チラッと覗いてみませんか? こうして見てみると、1口に作家志望と言ってもいろいろです。
前回までで得た結果
第一弾より- 商業目的で出版されている一般小説は、20万字を超えるものも多い(当然ジャンルや内容によりけり)。
- 新人賞は一般・ライトノベルいずれも長編であれば10万字を超えたあたりが目安になるよう。
第二弾より
速筆 1時間あたり:3000字以上 (400字詰め原稿用紙換算 7~8枚以上)
平均 1時間あたり:2000字前後 (400字詰め原稿用紙換算 4~6枚程度)
遅筆 1時間あたり:1200字未満 (400字詰め原稿用紙換算 3~4枚未満)
あんなにいろいろやった記事が、まとめるとたったこれだけに…。合理的なような寂しいような。余裕がある方は第一弾、第二弾の記事も読んでやって下さると嬉しいです。
ともかく、この結果を元に一冊の小説を書き上げるためにかかる時間を考えてみましょう。
トータルで必要な時間はいかほどに…
では早速、何時間ぐらいかかるのか考えてみましょう。今回は新人賞に応募するための作品と想定し、第一弾記事の結果から仮に10万字としてみます。
そして書くスピードは個人によりますので、それぞれ計算してみましょう。
速筆の方 10万字÷3000字=約33時間
平均的な方10万字÷2000字=約50時間
遅筆の方 10万字÷1200字=約83時間
…マジっすか。こうして計算してみると差が歴然。遅筆の管理人はややショック。
この定義が正しいのかはともかく、速度がワンランク上がると30時間以上も早く完成できるんですね。
ちょっと自分の執筆スタイルを見直してみようかな、なんて。
速く書ければそれだけたくさん作品を書けるし、自分の時間も増えるわけですからね。
それって結局何日かかるの?
トータルでかかる時間数は見えてきました。でも、どれだけの時間を執筆に当てられるかによっても当然完成までの日にちが変わってきますね。こればっかりは千差万別だと思うのですが、せっかくなので3パターンほど考えてみました。


アイアンマンの場合
平日は1日10時間! 土曜日5時間、日曜日はお休みで計算 …週55時間
ダブルワーカーの場合
平日は1日1時間。 土日計10時間! …週15時間
不定期休日作家の場合
平日は計2時間。土日計6時間! … 週8時間
と仮定してみました。まああくまでモデルケースです!では上で出した執筆ペース毎の必要時間数を、この作業ペースで割れば答えが出そうです。
アイアンマン×速筆さん 33÷55= 0.6週間 4日ぐらい
アイアンマン×平均さん 50÷55= 0.9週間 6日ぐらい
アイアンマン×遅筆さん 83÷55= 1.5週間 10日ぐらい
ダブルワーカー×速筆さん 33÷15= 2.2週間 16日ぐらい
ダブルワーカー×平均さん 50÷15= 3.3週間 24日ぐらい
ダブルワーカー×遅筆さん 83÷15= 5.5週間 40日ぐらい
不定期休日作家×速筆さん 33÷8= 4.1週間 30日ぐらい
不定期休日作家×平均さん 50÷8= 6.3週間 45日ぐらい
不定期休日作家×遅筆さん 83÷8= 10.3週間 73日ぐらい
ちょっと待って、完成にはまだ計算に入っていない時間があるはず
なるほど、これで小説を書くための日数が分かった…なんて、そんなはずはないです。いろいろツッコミどころは満載ですが、少なくとも上で全く触れていない行程として- 構想・プロット作成
- 推敲
推敲についてですが、一般的には1か月欲しいと言われることが多いです。且つ、第一稿を完成させてから最低でも1週間は空けてから推敲するのが望ましいというのはよく言われる話です。傑作だと思って書いたラブレターが、時間を空けてから読むと絶望的に寒く感じるのと同じく、一旦冷静になるためには時間を空ける必要があるんですね。ここの仮定でも、冷却期間を空けてから推敲を行うこととします。
かのスティーブン・キング氏は六週間の冷却期間をもってから推敲に臨んだそうですが、我々アマチュアたちにはそんな余裕はないこととします。ここでは、最低限期間の1週間空けると考えました。
冷却期間1週間 + 推敲期間4週間 = 5週間の追加が必要です。
つまり、一本の小説を作るために必要な時間は
上の計算式で出た推定日数 + 推敲期間5週間 + プロット作成期間 = となるのではないでしょうか。
例として、管理人は…
ダブルワーカー×遅筆さん(40日) + 5週間(35日) =75日+プロット作成期間 という結果となりました。
……いや、先日ポプラ社小説新人賞に送ったものでは、正直もっとかかりましたね自分の場合。まあ、12万文字オーバーの作品だったので無理もないのかもしれませんが。
管理人が思うに、これはかなり机上の空論であり、実際にこんなにうまくはいかないと思います。大切なのは、いくら理論値とはいえ、どうにも理論値から離れすぎていた時、どこか原因がないか自分の執筆スタイルを見直してみることではないでしょうか。
この検証結果を作品を書く時のペースメーカーに、あるいはこれから作品を書くにあたって完成時期の目途、目標とする新人賞の選定に使ってみるのはいかがでしょうか。
信憑性は不安ですが、話のタネでもなんでも、何かしらお役に立てると幸いです。
まとめ
- 絶対この計算より時間かかる。
- アイアンマンはすごい