それは誰かにお金を出す価値があると認められたわけでもあり、たとえアマチュアであっても作家冥利につきるというものでしょう。
今回からはそんな、書いた作品で報酬を得る方法を紹介していきたいと思います。なお、ここでは新人賞をとることや出版社の持ち込みといった正攻法の商業出版の道はあげません。
それらの狭き門ではなく、もう少し手が届きそうな、誰にでも可能性がある方法を触れていきたいと思います。
第一回の今回は同人誌編です。タイトルにもありますが、実際に製本された本を売っていくというのがこの方法のミソです。創作をする人ならだれでも憧れたことがあるのではないでしょうか、自分が書いた小説がかっこよくプロの手によって本になるなんて、その時点で興奮してしまいそうです。
※ どの方法でもそうですが、プロデビューをしているわけでもない人の作品を買ってもらうというのは並大抵のことではありません。やみくもに本を出してみるだけでは出版時のコストを回収できず、収入どころか赤字になってしまう可能性が高いでしょう。費用をかけて出すものに関しては、最悪1冊も売れなくてもこの額なら出せると思えるラインで予算を考えるのが良いと思います。
目次
このシリーズの見どころ
書く人- いきなり新人賞をとって出版! というのは壁が高く気持ちも切れてきそうです。もって身近で、作品を人に読んでもらえるチャンスについて考えてみたいと思います。
- 今回の他に、自費出版編、電子書籍化・投稿サイト編などを予定しています。
読む人
- 今回紹介の文学フリマは一般入場料無料です。全国で行われていますので、一度足を運んでみると本好きにとって様々な出会いがあるかもしれません。
STEP1 同人誌製本
プロに製本してもらうとなると、自費出版という手が浮かびます。これもまた別の機会で触れたいと思いますが、自費出版の場合ネックとなるのはやはり費用面。もちろんプランや出版社さんにもよってきますが、書店に流通して売ろうと思うと最低でも数十万円規模になってきます。それと比べるとだいぶ親近感の湧く金額になってくるのが同人誌出版です。
こちらの場合は宣伝や販売の手段を自分で確保する必要がありますが、製本自体はぐっと難易度が下がってきます。自費出版と比較すると装丁などはシンプルになってくるかもしれませんが…ひとまず本を形にして売るという形にはたどり着けるわけです。
ちなみにこちらのサイトでは、実際に作られた小説同人誌の写真を載せています。これで見る限り…十分すぎるほど本ですね。こんなかっこよく作ってくれるなら自分も頼んでみたいと飛びつきそうになりました…。
世界は一変するかもしれない。
文庫サイズの小説同人誌ってこんな感じ! 文庫サイズとか、新書サイズの小説同人誌をつくるのが好きです。こんばんは。タイトル…
同人誌の場合、自費出版とは違い表紙なども自分で作らないといけませんが…そのカスタム性の高さも魅力と言えそうです。絵が描けない人も、フリー素材を使ったり写真を加工したり、出版業者さんのサンプルを使ったりと方法は多種あるんですね。自分の作品の表紙について、延々と悩んでみるのも楽しいかもしれません。
同人誌製本の予算
気になる予算ですが、一例として、しまや出版さんという会社の刊行プランを見てみました。仮に160ページの本を30冊作ってもらうと…60400円!
どうでしょうか、頑張れば手が届きそうなところまで来ましたでしょうか。ただ、この計算だと1冊2000円で全部売り切ってようやくトントンの計算…ちょっと利益を得るというのは厳しそうな感じです。
もちろん、プランによっていろいろと値段は変わってきます。もっとお金を出してこだわったり、反対にもっと安いプランを探したりといったことも可能です。
また、しまや出版さんはオリジナルの表紙デザインを作って下さります(30000円以上の注文などいくつかの条件あり)。まさしく世界に一つだけの本を、デザインのプロの方と一緒に作れるというのは嬉しいですね。
しかし、いきなり何万円も出して本にする勇気がない! というのは自然な感想ではないでしょうか。そんな時にはこちらのちょ古っ都製本工房さんはいかがでしょう。
こちらのサイトで160ページ×30部を、カラー表紙印刷+一般的な用紙設定にした場合の見積もりお値段…。
11250円! 安い! これは手が届く!
どこまでコストを懸けて出来上がりにこだわるか、あとは作者自身の判断になるでしょう。ここで挙げたのはあくまで一例ですので、必ず元サイトで各プランやオプションを確認の上、発注をご検討下さいね。
STEP2(例) 文学フリマに出店
なるほど同人誌として製本してもらえる方法は分かった…けどどうやってそれを人に買ってもらうの?ということで出てくる案の1つが文学フリマです。
文学フリマとは?
ホームページの紹介文から引用しますと…
文学フリマとは、全国で開催されている文学作品の展示即売会です。とのことで、文学といっても本に限らず広く作品が集まるようですね。ジャンルもエンタメ、純文学、ライトノベル、詩歌にノンフィクション、評論、研究所などかなり自由に出展できるとのこと。懐が広い!
文学フリマの「場」には一般商業流通には乗らない作品がたくさん集まります。
自費出版の書籍、ホチキスで綴じたコピー誌、手製本の書籍、CDや電子書籍、Tシャツ、豆本、その他……。
ちなみに今回、記事の流れで同人誌製本とセットでご紹介していますが、手作りの本や自費出版した本もOK! 入場は無料ですので、読み手として見て回るのも楽しそうですね。
実は管理人も、来年の1月の京都か2月の広島のどちらかに一般入場で参加したいと考えています。
開催時期と場所
2020年は9回開催される予定となっています。およそ1~2か月に1度ですね。場所は東京のみ年2回ですが、他は各地域を廻ります。京都、広島、群馬、岩手、札幌などなど…自分の地元から行きやすい場所が1つは見つかるのではないでしょうか。
ちなみに1例として、昨年京都で行われた時は1500人を超える参加者があったとのことです。
出店の費用
これは開催地域によって要項が変わってきます。例として、来年1月に予定されている京都で見てみると…4600円~10200円とあります。料金はブースのサイズなどで変わってくるということですね。
注意事項
文学フリマでは定められたルールがあります。出店についての手続きや締め切り、準備物など必ず文学フリマのホームページから確認して行うようにしましょう。常識的な行動の範囲でマナー違反になることはないでしょうが、コスプレ禁止などのルールもあります。各開催地域によって変わってくるところもあるようですので、事前に確認してスマートに参加したいものですね。
まとめ
- 自分が書いた作品が本になり誰かが買って読んでくれる…想像しただけでワクワクしてきます
- 執筆を個人でひっそり行って仲間がなかなかいない…そんな方も多いのではないでしょうか。世の中の本好き、創作好きとたくさん会えるというのは、モチベーションアップの機会にもなりそうです。
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