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日本の子どもは本当に読解力が低下している? 本当にたくさん読書をすることが解決法?

先日の話題ではありますが、日本人の子どもの読解力が低下しているというニュースが話題となりました。

管理人的には、日々一生懸命勉強したあげく、読解力の無い大人に「最近の子どもは…」と好き勝手に嘆かれる子どもたちは、なんとも気の毒だなあと思いました。

管理人も読解力があると胸を張って言える立場ではありませんが、せめて見出しや印象だけで判断しないよう、ここはひとつじっくりこのニュースと向き合ってみたいと思ったわけです。

 

ニュースのおさらい

事の発端は1週間ほど前、テレビやネットなど各メディアで取り上げられたニュースでした。


毎日新聞

 3年ごとに行われる経済協力開発機構(OECD)の2018年国際学習到達度調査(PISA)で、前回調査に続き日本の子ども…



すごくざっくり言うと、3年に1度行われる世界一斉学力テストで、日本の子どもの読解力の低下傾向がみられているということで取り上げられました。

その学力テストというのがこちら。
PISA(国際学習到達度調査)
参加国・地域:2018年は79の国と地域が参加

対象者:15歳3か月~16歳2か月以下の学校に通う生徒。

生徒の選抜方法(日本):全国から無作為(ランダム)抽出された198校、6600人の高校一年生。

 

ちなみに現在、日本には高校一年生の生徒はおよそ300万人いるそうです。その中の6600人となると…450人に一人ぐらいの生徒を抽出して行っているんですね。

管理人の周りで受けたことがあるという人を聞いたことが無いんですが、無理もない人数か。本当にランダムで抽出してるのかな…とかヤボな疑いをもったりしたんですが、これは何とも言えないですね。

このテストの結果、日本は前回の8位から15位に落ちたとのこと。他の数学的応用力や科学的応用力といった項目が5位、6位につけているだけに余計目立って取り上げられたようです。

 

 

そもそも、読解力ってなに?

まったく…文章もろくに読めないなんて嘆かわしい。私なんて5歳の頃にはドグラ・マグラだってさらっと読めてたわ。ちゃかぽこ。

なんて呟きそうになるかもしれません。でもその前に。

読解力ってどうやって測るんでしょうか。作者の気持ちを想像すること? 助詞を正しく使えて、体言止めやラ行なんたら活用などをよく知っていること? 漢字はやっぱたくさん知ってないとダメ? (語彙力)ってやつ?

『読解力』という言葉だけだと定義があいまいな気がします。日本が15位だったというPISAの指す『読解力』について、まずは知っていきましょう。


 

PISAの指す「読解力」

PISAは、このテストにおける読解力について下記のように定義しています。
自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力
僭越ながら管理人なりに解釈して言い換えると…
  1. 自分の目標を叶える
  2. 自分の知識や能力を成長させる
  3. 社会で上手に生きていく
この3つを叶えるために、文章を理解し使いこなし、考えられる力。

 

といった感じでしょうか。これを見て思ったのですが、意外と実用的な能力が問われている印象ですね。

もっと、教科書的な知識、学力が問われるのかと思っていましたが…恥ずかしながら、調べてみる前のイメージとは大きく違ったものでした。

この内容が本当にテストで測れるのかはともかく、生きていく上で必要な能力としての読解力を測っている、と標榜しているわけですね。

上で挙げた某新聞社の社説では、
とりわけ日本の正答率が低かったのは、ある程度長い文章から求められた情報を探し出したり、書かれていることの信用性を評価して事実なのか意見にすぎないのかを判断したりする問題だ。
とあります。なるほど、ネットから情報を拾う時などに必要な能力です。正答率が低かった原因として、
専門家は、低下の原因として、スマートフォンやSNSの普及で子どもの読み書きやコミュニケーションが短文中心になっていることを挙げる。
と書かれていました。これについては半分納得できるような、できないような。

前回の調査は3年前で、そこから順位が落ちた原因を短文中心のコミュニケーションに求めるというのも…。

携帯電話でのメールが定着してから20年近く経っています。そりゃ、今ほど「りょ」とか「たぴ」とか短い区切りで連投することは無かったかもしれませんが。

じゃあ長文のメールが中心なら読解力が上がるのかという話。これは…変わらないんじゃないかと思います。メールで長文っていってもたかが知れてますし。そもそも友達同士のメールに読解力とか関係ないですし。

むしろスマホの普及で、ちょっとしたニュースや流行の記事などを読む機会は増えたんじゃないでしょうか。それってまさしく、ある程度長い文章から求められた情報を探し出したり、書かれていることの信用性を評価して事実なのか意見にすぎないのかを判断する機会の増加じゃないかと思います。

スマホを持っていなかった先代の人たちが何をしていたかというと、みんなが読書をしていたわけではありません。

電話でコミュニケーションをとったり、カラオケやゲーセンで遊んだり。ラウンドワンに行ったり。読解力とはカケラも関係ないことに時間を費やしていた人も多かったと思いますよ。

管理人が思うにSNSやスマホ自体というよりは、動画サイトの普及は読解力に関係してくるかもしれませんね。

全部実際の映像で提供して、要点だけテロップでどん! こればかりだと、確かに読解力は伸びない気もします。

 

本を読む子どもは読解力が高い?

さて、やり玉に上げるようで申し訳ないのですが、再び上の社説から引用します。
小説や伝記、ルポルタージュ、新聞などまで幅広く読んでいる子どもは読解力が高いことが示された。長文に触れる機会を授業や課外活動で増やしていく工夫が求められる。
これに関しては管理人、最初に耳にした時から疑問でした。

因果関係が逆ではないかと思うのです。つまり、本を読むから読解力が高い、ではなく読解力が高いから本を読む、本を楽しめるではないかと。

というわけで調べてみたところ、こんな記事を発見しました。




ここで挙げられているのは、アムステルダム大学らの子どもの読解力についての研究記事です。引用させて頂くと、このような結論が述べられていました。
読解力の個人差は主に遺伝的差によるものであり、読書量は遺伝と環境の影響をほぼ等しく受ける。

我々の調査による重要な発見は、「子どもの読書レベルが読書意欲を決定づけている」というものだ。

多くの教育者がご存知の通り、子どもは「読むのが難しい」と感じた場合、読書を放棄してしまう。
またまた僭越ながら管理人的解釈で書かせて頂くと、

読解力は遺伝と読書量と、両方同じぐらい影響を受けるよ。ただ、うちらが思うに大事なのは「子どもの読解力が本を読むモチベーションを決めている」ってことなんだよね。とーちゃんかーちゃんはみんなよく知ってると思うけど、子どもって「この本イミ分かんない」って思うと読むのやめちゃうよね。

という感じでしょうか。すみません、記事後半になってきたのでオーバーキル気味に噛み砕いて書いてしまいました。

とにかく、やはり一概に本を読めば読むだけ読解力が上がる、とは言いきれないところがあるようです。

反面、読むことは読解力を上げるためにプラスになることを裏付けた記事でもあります。


 

管理人が思う読解力アップの方策

いろいろ言ってるけど、じゃあどうしたらいいの? という話ですが…

ぶっちゃけ分かりません。原因にしても対策にしても、これだからこう! と一対一で式が成立するほど簡単なものではないことは明らかです。

ただ、それだと投げっぱなしになってしまうので、管理人も考えてみようと思います。

まあ管理人の考えというか、上の記事に賛同させて頂く感じになるのですが。

ポイントは

子どもって「この本イミ分かんない」って思うと読むのやめちゃうよね。

の部分です。あ、元の記事はこんなラフすぎる言い方はしていません。

つまり、本を読むのは読解力を育てるために大事ですが、やみくもに本を読みましょうと伝えたり授業で読書を増やしても解決しないかも、ということです。

その子に合った、楽しく読める本を読む機会を作ることが大事、という結論が導かれるわけです。

 

本のジャンルや内容に優越は無い! 好きな本を好きなだけ読もう

昨今の日本では、小説というと一般小説、ライトノベル、なろう小説と大きく3つのカテゴリーから構成されているのではないでしょうか。

定義は確立されていませんが、ライトノベルは一般小説に比べ挿絵が多く平易な文章が使われているイメージをもつ方が多いと思います。

なろう小説は、主に「小説家になろう」を始めとする投稿サイトで公開された作品、出版物などを指すことが多いです。こちらもライトノベル同様、平易な文章、セリフ主体の構成、気楽に読みやすい世界観が特徴である場合が多くみられます。

さてこれらのカテゴリー、なんとなくですが一般小説の方が高尚というイメージはありませんか?

太宰の一冊も読まないで何が読書家だ!

と言われることはあっても、

痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。を読まないで何が読書家だ!

と言われることはなかなか無いと思われます。

ですが。大事なのは、どんなカテゴリーやジャンルであっても、いいものはいい、ダメなものはダメ。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。ということではないでしょうか。

管理人は職業柄、毎日のように子どもたちと接しているのですが。好きこそものの上手なれというのは本当に大切な言葉だと日々実感しています。

子どもたちは、させられたことはなかなか吸収してくれませんが、自分でしたいと思ってやったことは本当に吸収するのが早いです。

好きなことに夢中になる、好きな作品にたくさん触れる。そうやって活字に触れることが好きになると、自ずと読解力の向上につながるのかもしれません。

全国の小中学校では朝読という、朝に読書をする時間が設けられている場合が多いですが…ライトノベルやなろう小説を禁止する学校もあるようです。

管理人としてはその子が自分で選んだ本を、制限されることなく読める学校が多くあることを願います。さすがに、表紙でオッパイがボロンと出ちゃってるのはダメだと思いますが。エロいのは家で読もう!

 

余談。PISAってモチベーションの影響はどうなの?

最後にちょっと気になったことを。ソース記事を見失ってしまったのですが、日本の子どもは記述式の問題に対して無回答の子が他国に比べて多く、よって、自分の考えをまとめて述べることが苦手である、と分析されているようです。

確かにそういった傾向はあるのかもしれませんが、気になったのは無回答が多いということ。

これ、普段の学校のテストだったらありえないことじゃないですか? 仮に全然分からん…となっても、部分点がもらえるかも! と思ったら何か書くんじゃないかと思うんです。

詳しい実施時期や方法、生徒への説明の仕方などが分からないのでなんとも言えませんが。無回答という選択は、1点でも多く取ろうと思った時には起こりえないことだと思います。

日本の高校生は不マジメだ! と言いたいのではなく、国によってこのテストの位置づけや働きかけに違いはないのかな? という疑問です。

まあもっと言ってしまえば、言語の在り方も全く違うのに、テストで画一的に読解力を測るということ自体に限界がある気もします。

 

最後に

某新聞社の社説をたくさん引き合いに出してしまいましたが、特定の対象を批判したい訳ではありません。テレビなども含め、よく聞かれる内容だったので例として挙げさせて頂きました。

 

まとめ

  • 「読解力の順位が落ちた」という一言に踊らされないよう、大人側も読解力に注意を払う必要があると思われます。
  • 本当はこの10倍ぐらい思うところがありましたが、ひとまずここまでとさせて頂きました。興味が湧いた方は、検索するとたくさん記事が出てきますので少し覗いてみて頂けると幸いです。