PART①ミルクボーイの漫才から序破急を学ぼう!編はこちら
PART②和牛の漫才から起承転結を学ぼう!編はこちら
今回は、この物語を構成するうえでの王道パターンともいえる2つを比較し、どちらが良いのか?という疑問について考えていきたいと思います。
※ 序破急は語源としては、能楽の構成形式の用語ですがここでは物語の構成様式を指す狭義の意味合いとして使っています。
目次
この記事の見どころ
書く人- 起承転結と序破急シリーズはこれにて完結の予定です!管理人なりの考え方を書かせていただきました。
- 小説を完成させる前に破綻してしまう、途中で投げ出してしまう…そんな方に、管理人的、物語のバランスがとりやすくなる下書きの書き方をご紹介します。
読む人
- この記事の中で、管理人は魅力的な作品は結果的に序破急か起承転結に当てはまる…!(キリッ)と言い切ってしまいました。ぜひ、例外的な作品があったら見せつけてやってください。というか、教えてください。
序破急と起承転結のおさらい
PART①、PART②記事より、簡単に二つの構成についての説明を抜粋します。すでにご存知の方は飛ばしてしまいましょう。序破急おさらい
序破急とは、小説に限らず映画の脚本やお芝居、さらには作文などにもおける文章構成の一形を指します。演劇の世界では三幕構成とも呼ばれ、意味する形は同じものといってよいです。
よく似た言葉に起承転結というものがありますが、ざっくりいってしまうと起承転結は4段構成、序破急は3段構成という違いがあります。
解釈はさまざまですが、序・破・急の三文字それぞれが以下のような役割をもつとされます。
序 物語の起こり。登場人物や舞台背景の描出。主役が誰で、何をする物語なのかの説明。
破 物語の本題。先が気になる展開やライバルとの対立など、ストーリーの見せ場となる。
急 物語の結末。序から始まった、その物語がどう解決するのかを描く。
起承転結おさらい
起承転結とは、小説に限らず映画の脚本やお芝居、さらには作文などにもおける文章構成の一形を指します。よく似た言葉に序破急というものがありますが、ざっくりいってしまうと起承転結は4段構成、序破急は3段構成という違いがあります。
解釈はさまざまですが、起・承・転・結の四文字それぞれが以下のような役割をもつとされます。
起 物語の起こり。登場人物や舞台背景の描出。主役が誰で、何をする物語なのかの説明。
承 物語の発展。大きな展開の前振り。登場人物やエピソードの肉付け。
転 物語の大きな展開、逆転。一番の見せ場。
結 物語の締めくくり。テーマに対する答え。
序破急と起承転結はどちらが優れている?
いきなり結論に入ってしまいますが、管理人は正直、どっちでもいいと思っています。理由としては、実は両者には言葉でいうほどの違いはないと考えているからです。
もう少し正確な言い方をすると、読者を楽しませようと思うと、自然と序破急なり起承転結なりと呼べる形に落ち着くといったところでしょうか。
なぜなら、ほとんどの物語には盛り上がりのピークとなるシーンがあります。クライマックスというやつです。序破急も起承転結も、クライマックスはエンディングの少し前に入れましょうねと言っているという点で共通しています。
クライマックスで盛り上がるための下地を、序や破、起や承でしっかり作りましょうと。この点も共通しています。根本的には同じことをいっているわけです。
じゃあ何が違うかって、分けた数が違いますね。3つと4つでは全然違う気もしますが…では、以下は例を使ってみてみましょう。
序破急と起承転結の違い 例:探偵ものミステリーの場合
例としてここでは、探偵ものミステリーで考えてみたいと思います。金田一くんでもコナンくんでも、ホームズでもなんでもOKです。すごく乱暴に序破急と起承転結に当てはめると、以下のようなモデルが出来上がります。
モデルA:序破急
- 序:殺人事件発生
- 破:捜査
- 急:解決編
モデルB:起承転結
- 起:殺人事件発生
- 承:捜査
- 転:捜査を元に探偵が重大な手がかりに気づく
- 結:解決編
さて、序破急と起承転結を使った2つの構成ですが、果たしてこの2つ、お話が実在したとして中身に大きな違いはあるでしょうか?
答えは、全く違いはない、ということになります。
一見すると1パート抜けているわけですから大きな違いな気もします。起承転結の転にあたるパート「捜査を元に探偵が重大な手がかりに気づく」は、序破急ではまるまるカットされてしまったのでしょうか?
もちろんそんなことはない、とお察しの方も多いかと思います。序破急の場合も、破と急の間ぐらいのところで「捜査を元に探偵が重大な手がかりに気づく」という展開が入るはずです。
これはつまり、序破急で考えようが起承転結で考えようが同じ物語を書ける、ということです。
言い換えれば、どちらで考えても書き手次第で中身は変えられます。最初は序破急のつもりで書いていたけど起承転結になっていたとか、何も意識していなかったけど序破急になっていたとか、そんなことだって十分ありえます。
だから管理人は、序破急でも起承転結でもどちらでいいと思っています。ただ、読者にとって良い作品というのは結果的に序破急か起承転結に当てはまる構成になっていると思います。
序破急で考える、起承転結で考える、どちらも使わず考える…どれも正解はなく、書き手は自分にあったスタイルで考えるのが一番といえるわけです。
実は有効、初心者は起承転結を意識するとプロットがつくりやすい
序破急と起承転結に優劣はないと書きましたが、管理人個人として合うスタイルというのは答えが出ています。個人的には、起承転結の方がストーリー構成を考えやすいですね。管理人はストーリー構成を考える初期では、ノートの見開き2ページを縦線で区切り、起承転結の4分割にする方法をよくとります。
一番大枠を作ってから、だんだん合間のエピソードなどを埋めていく方法ですね。細かいシーンは別のページに書き込んでいきますが、常に念頭にあるのは起承転結のページに書いた全体の構成です。
こうしておくと、全体のバランスが崩れにくく軸もぶれにくいと考えています。
これが序破急の3幕構成となると、どうしても破の部分の情報量が多くなりすぎてしまいますので…自分には4分割の方が合うと感じています。4つにした方がメリハリもつけやすくなるかなと。
この方法は、初めて小説を書くという方にもオススメです。よく、書き始めたものの途中でやめてしまったり、行き詰ってしまったという話を耳にします。
初めから完全なプロットを作る必要はないと思いますが、最低限、書き始める前に起承転結の4段で箇条書きぐらいのあらすじを決めておくのはいかがでしょうか。
道しるべがあるため、話がぶれにくくなります。もちろん、箇条書きよりも肉付けできた状態であればあるほど、より完成したプロットになるほど、書きかけの段階で物語が破綻したり展開のしようがなくなって作品が終わってしまう…という事態は避けやすくなります。
まだ作品を完成させたことがないという方は、ベースに起承転結の大きな枠組みを作ってみると書きやすくなるかもしれません。
まとめ
- 序破急も起承転結もどちらも使わない方法でも小説は書ける。魅力的な作品は、見返すと自然と序破急か起承転結の形となっている。
- 小説を完成させるのが難しいと悩んでいる方は、起承転結で箇条書きでもいいので全体の大枠を作っておくと物語が破綻しにくい。
本日の記事は以上です。最後まで読んで下さりありがとうございました!@カラオケに行くと高いほうに音を外し続ける管理人kei