2019年に出会った本を振り返られるのはこのタイミングがギリギリ! というわけでこのたびベスト5を決めることにしました。
あくまで今年読んだ本、ですので発売時期もジャンルもバラバラですが。管理人の備忘録も兼ね、ここに記します!
各作品の詳細なレビュー記事に関しては、できたものからリンクをつけていきますね。
では5位からどうぞ。ぶっちゃけ目次でネタバレしちゃってる気もしますが、どうぞ!
目次
5位 独白するユニバーサル横メルカトル / 平山夢明
追記:単独レビュー記事はこちらから! 独白するユニバーサル横メルカトル/平山夢明 2006年8月25日発売このミステリーがすごい! 2007年第1位ほか
いきなり14年前の作品ですね。実は今回のランキングのなかで唯一の再読本です。
発売当時に一度読んだんですけど、どうしてももう一度読みたくなり、電子書籍版がなかったので紙の本で買い直しちゃいました。
8編の短編からなる本作ですが…とりあえずどれも後味が悪い。後味というか、読んでいる間もずっとしんどい…のですが魅力的。
このミステリーがすごいの1位をとりましたが、いまだになぜとったのか分かりません。どこがミステリーなんでしょう。でも、『すごい』というのは完全同意です。
2回目にも関わらず、当時同様かそれ以上にくるものがありました…怖いけど切ないというか、儚いというか。
グロ耐性がある方で、少し変わった短編が読んでみたいという方、一度トライしてみる価値ありです。グロ耐性がない方は、平山夢明さんの作品全般をそっと小脇に除けましょう。
ちなみに管理人が好きな話は…と語っていると途方もなくなってしまいます。詳細はまた、単体レビュー記事にて!
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4位 殺戮にいたる病 / 我孫子武丸
1992年発売 殺戮にいたる病/我孫子武丸追記:単独レビュー記事ができました! 5位と4位、連続で物騒な作品が並びました。これもグロ耐性のない方は要注意。ちなみにグロ耐性がない人は1位も無理だぞ!なんかごめんなさい。
本作の魅力はなんといっても読後の衝撃。あまりにも見事な大どんでん返しが読者を待ち受けます。
未読の方にはできるだけ事前情報なしで読んでいただきたい本作。詳しい説明は避けますが…あの類のものとしては最高峰の完成度と呼べる作品です。
って、知名度的にも発売時期的にも今さらすぎる感想ですが。改めて推したくなるぐらい衝撃でした。30年近く前の作品ですが、近年の作品でもなかなか超えられない衝撃です。
注意点としてはとにかくグロ、グロ、グロ。特に女性が暴力を受ける描写が苦手という方、絶対ムリです。最初のグロシーンを乗り越えて安心しても、そのあとも続きエスカレートしていくグロ、グロ、グロ。
これが耐えられそうという方にはぜひオススメです。グロささえなければ、2019年友人に勧めたい小説1位だったかも。グロすぎた結果、あえなく圏外ですが。
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3位 夜のピクニック / 恩田陸
2004年7月30日発売 夜のピクニック/恩田陸 第2回本屋大賞ほか4位までの殺伐さを癒してくれる小説が来ました。よかった。
これはすでにレビュー記事が出来上がっていますので、詳しくは↓の記事から 青春小説とか、青臭くて読めないかも…と思いながら読み始めましたが、作家さんの力ってすごいですよね。まんまと10代のころに感じていたものが蘇りました!
記事内でも取り上げましたが、バイきんぐの小峠さんがやっていた歩行祭を羨ましいと思ったぐらい。
読んだ後にしみじみ、いいもん読んだなあと思える作品です。
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2位 オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎
2000年12月20日発売 オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎 第5回新潮ミステリー倶楽部賞受賞2位は伊坂幸太郎さんのデビュー作!変な話、これについてはちょっと贔屓目アリというか、個人的に世界観がツボッたから2位というか。
管理人の面白かったランキングなので主観丸出しで当たり前なのですが、中でもこれは客観と主観で差がある作品かも…と思っています。
追記:レビュー記事ができました! 何と言ったって殺される被害者はカカシ!しかも予言ができるカカシ!
これを聞いてちょっと面白そう、と感じた方はきっと楽しめます。反対に、ハア?と思った方はその第一印象そのままに、突き抜けて面白い作品だと感じることはないかもしれません。
管理人が大好きなのは、非現実的ながらあるかもしれないと思わせてくれる、絶妙にやさしくリアルな世界観。
舞台である宮城県沖の架空の島の存在がなんとも魅力的。体が大きすぎて動けなくなった店員さんや、反対の言葉しか喋らない画家、亡くなる人の手を握るという仕事などなど…。どれもがユニークで愛らしいです。
この不思議な島でおきた、不思議な殺カカ事件の真相は。デビュー作とは思えない、ちりばめられた伏線の回収もお見事の作品です。
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1位 ダイナー(DINER) / 平山夢明
2009年10月発売 ダイナー/平山夢明 第28回日本冒険小説協会大賞、第13回大藪春彦賞受賞 さていよいよ第1位はこちら! 昨年藤原竜也さん主演で映画にもなった作品、ダイナーです!漫画にもなっていますね!最後にまたグロいのがきた!いやー、これは面白かった…ダントツ1位です。管理人的にはオールタイムベストかも。
この記事のタイトルにも挙げた、冒頭から最後まで楽しませて「殺しにかかってくる」という表現は、平山夢明さんがあとがきで使った言葉です。
平山夢明さんがダイナーで目指したところというお話でしたが、これ以上この作品を表す言葉はないんじゃないかと思いそのまま使わせていただきました。管理人は、まんまと殺されました。楽しすぎて。
思わず、独白するユニバーサル横メルカトルを読み直すぐらい面白かったです。平山夢明さん、すごいです。この作品は説明不要、エンターテイメントにどっぷり浸かって最初から最後まで楽しめます。
ただ注意点として…グロい!(また) 特に序盤はグログロですね…それがいい緊張感を出しているんですが、合わない人には辛いと思います。
ただ、グログロの極限状態だからこそ乗り越えたときの緩和が効きます。殺し屋とのやりとりもダイナーに並ぶ料理も、意外とツンデレなブルドックも、すべてに引き込まれます。
ダイナー2がウェブで公開されているのですが、読むのがもったいなくて読み始められないありさま。2位以下の作品は順位に悩むところもありましたが、1位は迷う必要がありませんでした。
管理人が書いている作品とはまったく方向性が違うものですが、書き手としてもこんな、1から10まで面白い作品書いてみてえ…と思わせてくれる憧れの作品でした!
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ランキングを見返した雑感
2019年のベスト5は以上です。おさらいするとこんな感じに。- 1位 ダイナー(DINER) / 平山夢明
- 2位 オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎
- 3位 夜のピクニック / 恩田陸
- 4位 殺戮にいたる病 / 我孫子武丸
- 5位 独白するユニバーサル横メルカトル / 平山夢明
見返して思ったんですが…なんかけっこうミーハーなランキングになったかも(笑)
けっこう幅広く読んだつもりだったんですが、なんだかんだ有名どころや話題作が中心のベスト5となりました。まあ面白いから話題になるわけで、自然なことなのかもしれませんが。
あと、なんかグロい作品が多かったですね…もちろんいずれの作品もグロいから面白いというわけではありませんが、強烈なスパイスになっていたのも事実。
決して管理人がグロ大好きというわけではない…と思います、たぶん。ただ残虐なシーンって心がえぐられる分、平穏なシーンが際立つのかもしれません。というか平山夢明さんが2本も入ってたらそらグロくなるか。
そういう意味では夜のピクニックって本当にすごいと思います。ただただ歩くだけなのに、記憶に残る名作ですから。
2019年はオールタイムベストと思えるダイナーに出会えたほか、今回挙げたもの以外でも多くの作品が記憶に残りました。
2020年もたくさん本を読みたいです。読みたい本、読む予定の本はたくさん考えているのですが加えて、ひょっとしたきっかけで手に取る本も大切にしたいと思います。
本屋さんで表紙が気になったものであったり、たまたま画面に映ったものであったり…。あまり前評判にとらわれない方が、思わぬ出会いとなるかもしれませんしね。
今回の記事は以上です。最後まで読んで下さりありがとうございました!@2020年最初に話した相手がアレクサだった管理人kei