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【小説以外からも学ぼう】魅力的なストーリーのゲームソフト② <王道編>5選

ストーリー構成を学ぶ教材は、なにも小説だけじゃなくていいじゃないか。という発想から始まったこのシリーズ。2回目の今回は王道編!

王道だからこそ分かりやすく楽しめる。でも王道だからこそ書き手は差別化が難しい…。そんな悩ましい存在の王道ストーリーについて、魅力的なゲームソフト5本を挙げてみたいと思います。

PART①切ない編についてはこちらから

今回取り上げるのはこの5本!
  • Detroit: Become Human (PS4、PC)
  • トトリのアトリエ (PS3、PS4、PSvita、switch)
  • 幻想水滸伝2 (PS、PSP)
  • フォールアウト4(PS4、XboxOne、PC)
  • ペルソナ4 (PS2、PSvita)
 

このシリーズの概要

  • 各テーマに沿って計10編ほどを予定。若干タイトルが被るものもありますが、大体計40本弱をご紹介の予定。ちなみに同じタイトルでも別テーマで出た場合は、また違った角度から学びポイントを紹介したいと思います。
  • 基本的に管理人がクリアしたことがある作品から選びます(ごく一部例外あり)。プレステ系列の作品が中心になってしまいますがご容赦下さい。
  • ストーリーを全部説明しちゃっても面白くないので、ネタバレは無しでいきます。

では以下より、早速各作品についてご紹介!

 

Detroit: Become Human (PS4、PC)

2018年5月に発売されたこのゲーム。実写と見間違うような美しいグラフィックと、プレイヤーの数だけストーリー展開があるといわれたほど無数のストーリー分岐が大きな話題を呼びました。

ストーリー概要

2038年のデトロイトが舞台。人間そっくりのアンドロイドが普及したために世界は発展を遂げた一方で人間が仕事を失い、失業率が急騰。反アンドロイド感情が高まり、各地で活動が起こるようになっていた。

そんな中、感情をもたないはずのアンドロイドが所有者を殺害し逃亡する事件が発生。意思や感情をもつようになったアンドロイドはその一体にとどまらず増え続けていった。

アンドロイドたちはやがて人間からの解放・独立を求めて手を取り合い、道を探し始める。

友好か敵対か、支配か共存か。人間とアンドロイドはそれぞれの選択を迫られることになる。

 

管理人的感想

なんか面白いというより、すごい…という感情が先行しながらプレイしていましたね。操作キャラの細かな動き1つでストーリー展開が大きく変わったり、序盤の行動が終盤になって効いてきたり。

自分だけの映画を体験している気分。それでいてどの展開になってもハズレがなく、手に汗握るストーリーが繰り広げられるのは圧巻でした。

この記事の趣旨からいけば、1作品で何度も学べるともいえます。1週や2週したぐらいでは、すべての展開を見つくすことなど不可能ですからね。

特にハリウッド映画やSF映画が好きな方にはたまらないのでは。他ではなかなかできない体験が、この作品ではできました。

 

王道ポイント
  • 人間とアンドロイドの対立という、今も昔もこれからも考えさせられるテーマ
  • 平穏、逃亡、慈愛、闘争、衝突、葛藤、結託…あらゆるエンターテイメント性を網羅した展開の数々
  • 主人公たち以外も、リアルで魅力的な登場人物たち。
 

学びポイント
  • 王道ハリウッド映画的展開の連続ながら、世界中のプレイヤーを魅了している。魅せ方次第でやっぱり王道は強い。
  • 誰と誰が対立するのか、協力するのかといった構図も話を飽きさせず、熱い展開の元となりやすい。ジャンルが変わっても応用しやすいストーリーの盛り上げポイント。


 

トトリのアトリエ(PS3、PS4、PSvita、switch)

ストーリー概要

錬金術師トトリが、母を尋ねてどこまでも冒険する物語。

一言でいってしまうとこれだけ!これだけなんですが、その行程が熱い…。

トトリの母であり冒険者であるギゼラは、冒険に出かけたきり行方が分からなくなっていた。そんな母を探すため、トトリは自らも冒険者となり世界中を探し回る決意をする。

仲間や父、姉、師匠に助けられ…壮大な冒険の先に、トトリが見つけたものとは?

 

管理人的感想

このゲーム大好きなんですよね…人生で好きなゲームを5本あげろと言われたら絶対入れます。

システムや音楽など、魅力をあげるとたくさんあるのですが本題から逸れてしまうので…ストーリーについてのみ触れますが。

この作品、冒険してる感がすごい!そして、要所の展開がいちいち熱い!ストーリーの主軸はすでに述べたとおり、母を探す一本なんですけどその過程がとても丁寧で巧妙だと感じました。

草原から森と始まり、熱帯砂漠、雪山、悪魔が住む館、海、未開の島…考えてみればRPGとしてはありうるステージ構成なのかもしれませんが、等身大の女の子が少しずつ道を切り拓いていく様が、冒険している感覚をより味合わせてくれました。

終盤の、こんなところまで来てもうた…感はなかなか他のゲームでは記憶にない感覚です。

それでいて、全体を構成する主人公と仲間たちのやりとりはとてもコミカル!シリアスな場面もありますが、笑える会話が多く楽しく進められます。

夢中で冒険していたら最後に待っているエンディング…マルチエンディングの本作ですが、ノーマル以上のエンディングであればどれも感動的な結末が待っています。

 

王道ポイント
  • 母を尋ねて冒険するという一貫し、感情移入しやすい目的
  • 父、姉のキャラクターも良く、家族の魅力がたっぷり
  • コミカルな道中から一気に盛り上げる、熱いシリアス展開
 

学びポイント
  • 明確な主人公の目標で物語を描き切れるのは王道の強さ。分かりやすく、感情移入しやすい設定が王道を盛り上げる。
  • やっぱり成長物語は魅力的!少しずつ壁を乗り越えていく様は、登場人物への感情移入を生みやすい。
  • ギャグは飽きさせず、箸休めにもなることができる。


 

幻想水滸伝2 (PS、PSP)

ストーリー概要

「その強さがあれば全てを守れると思った。
誰をも傷つけることのない優しい世界が手に入ると思った」

主人公と親友ジョウイが、王国の平和を目指してそれぞれの道を進む。いつしか大きな軍を束ねるまでになった二人。残酷な運命は、この二人に雌雄を決するよう迫りくる。二人が出す答えとは。

 

管理人的感想

名作ですね。まずはそのドラマチックでスケールの大きなストーリー。田舎町の少年兵だった二人は、紋章の力を手にしたことをきっかけに世界を揺るがす戦争の中心へと突き進むことになります。

同じ目的のはずの主人公と親友が違う道へ別れていく、これだけでも胸を打つ展開なのに、この作品の魅力はそれだけでは終わりません。

まず、108人という仲間の多さ!ストーリーを進めながら少しずつ仲間を増やしていくわけですが、バラエティに富んでいてどのキャラクターも魅力的

種族も多様で、キャラクター個別の魅力になっているだけでなく、物語の中でも種族間の対立や和解が描かれます。いがみ合っていた種族が、一つの目標に向かって結託していく姿はこれもグッとくるものがあります。

さらには悪役のルカ・ブライト!悪役業界のなかでも殿堂入りするレベルで悪役です。そして強い。

これでもかと強大で凶悪な敵が立ちはだかることが、さらにこの物語を引き立てます。

そしてそして、最大のポイントは親友ジョウイの存在!彼がなぜ主人公と違う道をたどったのか、何を考えていたのか…すべてが分かったとき、この作品はプレイヤーにとって真に忘れらない物語となります。

 

王道ポイント
  • 平凡な一兵士から、大群をまとめ平和を目指して戦うまでの波乱万丈なストーリー
  • 軍が大きくなっても、中心は姉と親友との絆の物語
  • とにかく強大な敵役の存在
 

学びポイント
  • 主人公と親友の関係性としては一つの到達点。運命によって戦わざるを得ない二人という展開は、ストーリーを盛り上げる引き出しとしてもっておきたい。
  • ルカ・ブライトは悪役でありながら屈指の人気キャラクターに。突き抜けた悪や強さが魅力となった、ありそうでなかなか無い良お手本。
 

フォールアウト4(Fallout4) (PS4、XboxOne、PC)

ストーリー概要

2077年に起こった核戦争後の、北斗の拳のような荒廃した世界が舞台。2287年、マサチューセッツ州ボストンで主人公は目を覚ます。

変わり果てた街並みを目にして途方に暮れる主人公…それもそのはず、彼(彼女)が人工冬眠をさせられてから200年以上が経っていた。

誘拐されたと思われる自分の息子を探しに、主人公は悪夢のような世界を旅することとなる。

 

管理人的感想

フォールアウトシリーズは、その自由度がセールスポイントとなって大ヒットしたシリーズです。主人公は何をするのも自由。正義のために戦ってもいいし、コソ泥になってもいいし、話し合いで解決を試みる人になってもいい。

ですので、ストーリーの見方もプレイヤーによって大きく変わるところがあります。ですが、メインシナリオに関してはある程度共通のあらすじがあります。

4は特にこのメインストーリーが王道を行く面が大きいと感じました。さらわれた息子を探して荒廃した世界を旅し、気が付けば大きな戦いに巻き込まれていく…いってしまえば結構ベタ、つまり王道です。

この物語の魅力は、最初の強い絶望感からの振り幅といえそうです。スタートの絶望感はなかなかないレベルですよ…なにせ、命からがら助かったと思った矢先、人工冬眠から目覚めたら配偶者は殺され赤ん坊はさらわれ。

おまけに世界は滅んでいるといってもいいレベルで荒廃し、放射能の影響でおぞましいクリーチャーが徘徊している。さらには人間も、誰もが生きるのに必死であり信用していいのか分からない。法律なんてものは存在しない、まさしく世紀末な世界観。

このどうにもならない世界を、主人公は息子に会いたいという一心だけで生き抜いていきます。少しずつ息子の影がちらつき、その先に待つ衝撃の展開…。

どうしようもない絶望から、少しずつ仲間が増えささやかながら世界が開かれていく感覚。

絶望から射す一筋の光は、普遍的な魅力があります。それが、息子のために戦い抜いて得たものであればなおのこと。映画や小説でもそうですが、子どものために戦う親の姿というのは思わず応援してしまいたくなる魅力がありますね。

 

王道ポイント
  • どん底から息子を探し求めて戦う親の姿
  • 荒廃した世界観での、人々の生き様や小さなストーリーの数々
 

学びポイント
  • 本作では朽ち果てた世界がそこでしかない人間ドラマを多く生み出していた。その舞台ならではの物語を作ることで、オリジナリティを生むことができる。


 

ペルソナ4 (PS2、PSvita)

ストーリー概要

雨の夜の午前0時、テレビで自分の顔を見つめていると別の人間が映る。マヨナカテレビという噂が流れる田舎町が舞台。高校生である主人公は、親戚の家があるこの町に1年間だけ引っ越すことになった。

噂の中だけの存在と思われていたマヨナカテレビは実在し、さらには町を騒がす連続殺人事件とリンクしている―。

そう考えた主人公と高校生の仲間たちは、特別捜査隊を結成し独自の捜査に乗り出したのだった。

 

管理人的感想

青春満喫!若すぎるぐらいにストレートな仲間たちとの交流、成長が印象的です。というか名作です。ジュブナイルもの良いところ贅沢盛りな本作。

もうとりあえず、仲間たちがみんないいヤツ!ばかばかしいことも辛いこともみんな共有して、事件の捜査もしつつ学校行事で盛り上がっちゃう彼ら。こんなリア充、許されるのか。

戦う目的が、町で起きている連続殺人事件を解決するため、というのもいいですね。世界のために戦うのもいいですが、自分たちの町を守るために戦うという等身大の姿がより好感を覚えます。

欠点はクリアした後がとにかく寂しいこと。そんな理不尽な文句をぶつけたくなってしまうほど、この作品の中での冒険は夢中にさせてくれます。

ただ、正直なことをいうと30代中盤の管理人にはそろそろこのノリが辛くなりつつあるのも事実…涙。この作品をプレイしたのは20代ですので。

10代、20代の方がより楽しめる作品かもしれません。あるいは、管理人が純粋さを失ってしまっただけかもしれません。いずれにせよ、20代のうちにプレイできて良かったと思っています。今でもたまにふり返りたくなる作品です。

 

王道ポイント
  • 辛いことも仲間と一緒に乗り越える!10代だから描き出せる、まっすぐなストーリー
  • 田舎での高校生リア充ライフ。こんな高校生活送りたかった…!と誰もが思う理想だけど嫌味じゃない日々
 

学びポイント
  • 魅力的なキャラクターだからこそ、このリア充すぎる生活が嫌味じゃなくなる。キャラクター全員、どこか抜けたところがあって憎めないのもポイント。キャラクターを描き切ることで物語全体の魅力を押し上げた良お手本。
  • 強大な敵が魅力的な一方、身近な題材だからこそより等身大の物語が描ける場合も。それぞれの魅力を引き出すストーリー展開が大切。

まとめ

以上、王道編ということで5作品を紹介しました。王道といえば、誰からも愛される物語になりえる魅力がありますが、書き手としてはオリジナリティを打ち出すのが難しいといえるかもしれません。

今回ご紹介した5作品についてはいずれも、奇をてらうような展開はほとんどないですがオリジナリティがあり、そのうえで心に残る作品ばかりです。

自分はこの作品でここを見てもらいたい!という確固とした軸とオリジナリティがあるとき、王道展開は読み手を惹きつける強烈な武器になるといえそうです。

 

本日の記事はここまでです。最後まで読んで下さりありがとうございました!@マツコの知らない世界を見るたびに物が増えていく管理人kei