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小説のプロットに行き詰まったときのテクニック。逆算ストーリー構成法

今回は執筆初心者の方向けの記事となります。小説を書きたい!と思ったはいいもののストーリーが行き詰まる、何から書いていいか分からない…という方の助けになるかもしれないテクニックをご紹介します。

また、今回の記事ではストーリー構成の仕方について3つのタイプに分類して考えてみました。

小説を最後まで書き上げたことがある、という方も、自分とは違ったタイプの構成方法を知ることで新たなアイディアが湧いてくるかもしれません。

 

プロットとは

最初にサラッと用語について触れておきますが、小説を書く際によく耳にする言葉としてプロットというものがあります。

すごくザックリ言ってしまうと、小説全体の構成を書いた設計図のようなものです。書き方や内容に決まりはなく、作家さんによってもその扱い方は大きく異なります。

書き方にもいろいろとスタイルがありますが、それについてはまた別の機会で触れたいと思います。

簡単に例として挙げておくと、事細かなところまで書き込む方もあれば、走り書きで思いついたことをメモしていくようなスタイル、あるいはプロットは全く書かないで始めるという方もいます。

このブログでよく例として出てくるスティーヴン・キングさんもプロット否定派です。事前に構想を練ることを良しとしていません。

キングは、①人の一生が筋書きのないドラマであり、知恵を絞って用意周到にしてもその通りに運ぶわけではない。②構想を練ることと作品の流れを自然に任せることは両立しない。という2点を、プロット書きに反対する理由として挙げています。

作品は自律的に成長する、というのがキングの考え方なのだそうです。

こうしたスタイルの違いからも分かるように、プロットというものは正解が決まっているわけではありません。自分に合う方法を見つけることが正解ともいえます。

ですがもし、あなたがストーリーに行き詰ってしまったことがあり、プロットをあまり詰めずに書いていたというのであれば…一度プロットを作ってみると新たな発見があるかもしれません。


 

様々なストーリー構成の着想法

プロットを書く、書かないに関わらず、小説を書くということはストーリーを書くということです。この記事でメインに取り上げるストーリーの構成の仕方は逆算法というものですが、そのほかの方法も含めてまずはご紹介します。

ちなみに分類は完全に管理人独自のものですので、こういった定義が存在しているわけではありません。

 
  • キャラクター主導型

登場人物から物語を構築します。まず書きたいキャラクターがいて、そのキャラクターを活かすための展開を考えていくというタイプです。

このタイプの場合、とにもかくにも魅力的で練りこんだキャラクター設定が重要となってきます。背景までしっかり練りこむことで、それを活かしたシーンや展開を考えていくこととなります。

ライトノベルや恋愛小説で多いのではないでしょうか。また、一般小説でいけば博士の愛した数式や、コンビニ人間といった作品はこれに該当するかもしれません(作者の方がどう構想したかは想像するしかありませんが)。

 
  • 世界観・設定主導型

世界観や設定に大きな特徴があり、そこに登場人物を当てはめストーリーを展開していくタイプです。

最近でいうと異世界転生ものなどはここに当てはまる場合が多いのではないでしょうか。ほかにも、各デスゲームものやホラー、SF小説などもこれに該当するものが多くありそうです。

 
  • 逆算型

さて、最後に出てきました本日の記事の主役である逆算型です。結末やクライマックスのシーンが最初の構想としてあり、そこから逆算して物語を組み立てていきます。

多くのエンタメ作品はこれに該当しそうです。山場から作られていますので、大きなどんでん返しや意外な展開、ラストへの盛り上がりが作りやすいのが特徴です。

 

一番書きたいシーン、盛り上がりのシーン or 結末を決める

では、実際にどうやって逆算するかを見ていきます。

最初に、一番盛り上がる山場のシーンを考えるところから始めます。あるいは結末を先に考えるというのもアリです。

とにかく物語後半の、起承転結でいえば転か結の部分を最初に決めてしまいます。そこが決まれば、あとはそこに至るために必要なものを考えていきます。

登場人物は誰が必要か、舞台設定はどうか、どんな伏線があると盛り上がるか、その伏線を入れるためにはどんなシーンが必要か…。

思いついたキャラクターやシーンを書くのではなく、すべてはクライマックスのために必要な材料を書くという考え方です。とはいえもちろん、多少脱線して物語の厚みを加えたり魅力的なキャラクターを出すのもアリです。

始めはクライマックスに関係ないと思って出した人物やシーンが、書いてみたら意外と後で効いてくるということもあります。

この方法の一番のメリットは、仮に多少の脱線や想定していなかった展開になったとしても、クライマックスが決まっているために物語が破綻することがないという点です。

逆にいうと、クライマックスに必要な要素が壊れることだけはないようにするべきです。クライマックスに必要な人物がいない状況を作ってしまったり、そのシーンにたどり着けないような状態にしてしまうと、せっかく考えた物語が破綻してしまいます。

そのため、プロットが大切になってきます。長編であればあるほど、クライマックスにたどり着くまでのシーンは増えることとなります。情報量も増えます。

どのタイミングでだれが出て、どこに伏線があって…ということをプロットとして書いておくと、情報量が増えても書き忘れや構成の崩れなどを防ぐことにつながります。

物語を逆算して考えることと、プロットをうまく組み合わせて使うことで、書き始めたはいいがストーリー展開に詰まった、ということを防ぐことにつながるわけです。

管理人は 転⇒結⇒承⇒起 の順で考える

ひとつの例としてですが、管理人は一番の盛り上がりである転から考えることが多いです。転での大きな盛り上がりが決まるまでは書き始めません

そこを決めて後は広げていくわけですが、大まかには転⇒結⇒承⇒起の順番で考えます。ただ、こんなにキレイに決まることはまずなく、飛び飛びでシーンを埋めながら考えていくことも多いです。

また、起に関しては読者の方が作品に興味をもってもらえるかの一番重要なところでもあります。このため、逆算から編み出した必要な中身に留まらず、大きな展開を起で入れるなどの工夫も大切と考えます。

いずれにしても、転に魅力があれば読者にとって満足度の高い作品になりやすいですし、書き手としては作品を書くうえでの自信にもつながります。

長編を書く場合は特に、執筆時間もかなり長時間に及びます。途中で「これ本当に面白いのかな…」と考え出すと心が折れそうになることもしばしばです。

そんな時、確固としたクライマックスがあれば、「大丈夫、最後まで書き上げれば絶対に面白い」という自信となり、モチベーションの維持・アップにつながります。


 

行き当たりばったり型にならないように

さて、逆算型の書き方について説明したわけですが、スティーヴン・キング的には称賛できない方法でしょう。上でも述べましたが、キングは事前のストーリー構築を重視しない書き方を採用し、他の書き手にも勧めています。

このような、プロットを作らない書き方のことを即興型と表現することがあるようです。小説を実際に書きながらストーリー構築していくわけですね。改めて、逆算型とは真逆の方法のように感じます。

即興型と逆算型、それぞれ人によって合うスタイルが違うということは確かですが、それでも管理人は初めて小説を完成させるまでは逆算型で考えるのがよいと思っています。

それは、即興型といえば確かに聞こえはカッコイイですが、執筆初心者の方が行う場合、多くは行き当たりばったり型となってしまうからです。

新しい登場人物を出したのはいいけど、人を増やしすぎて不要な人物が出てしまった。主人公をピンチに追い込んだものの切り抜ける方法が思いつかない…などなど、いちいち物語が進むたびに頭を悩ませることに。

なんとかして進めたものの、どうやってエンディングにもっていくのかも分からないし、なんだか単調な展開が続く。何を書いても盛り上がらない気がしてきて、次第に書くことが嫌になってしまう

こうした状態が行き当たりばったり型といえ、初めて小説を書くときに頓挫しやすいパターンのひとつと言えます。

即興型で書いたのが初作品だけど完成できた、という方はなんら問題ないと思います。ただ、やはりそういった方は少ないです。即興型で書けるには、蓄積した執筆スキルであったり読書量、センスといったものも必要になってくると思います。

一度は即興型で書いたけども途中で書くのをやめてしまった…という方には、ぜひ一度逆算型のストーリー構成を試して頂きたいと思います。

なにせ一番盛り上がるシーンが決まっているわけですから、そこに向かって書こうと思うと意欲も続きやすいという点もメリットです。

 

実際はそれぞれのタイプが混ざりながらのことが多い

さて、今回様々なストーリー構成のスタイルについてご紹介しました。最後に付け加えておきますが、これらは完全に別れているものではありません

キャラクター主導でストーリーを考えた山場から展開を逆算する、逆算型で始めたけど即興で展開を膨らませる、などなど、混ぜ合わせて考えていくことの方がむしろ一般的だと思います。

そもそも、ここに挙げたもの以外の方法もありえます。まずは物語の終盤から逆算してストーリーを構成することをオススメしますが、自分流のスタイルを生み出していくというのも、創作の面白さであり魅力なのかもしれません。

 

本日の記事はここまでです。最後まで読んで下さりありがとうございました!@「この前さあ」と言った出来事が6年前だった管理人kei