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【小説以外からも学ぼう】魅力的なストーリーのゲームソフト①<切ない編>7選

小説以外のメディアからも学べることは多い! と、前回の記事で少し触れました。

というわけで今回より、ゲーム作品からストーリー構成について学ぼうというシリーズを始めていきます。

とはいえ計10編ほどを予定しているこのシリーズ。連続で更新するとしばらく記事がゲームソフトで埋まってしまいそうです。なので、1~2週に1度更新ぐらいでゆっくり紹介・学んでいこうと思います!

初回の本記事では下記7本から学んでいきます! 大体1テーマ5本ぐらいにしようと思っているんですが、切ない編は絞りきれなかった…。
  • フィンチ家の奇妙な屋敷で起きたこと (PS4)
  • DEMENTO デメント (PS2)
  • サイレントヒル2 (PS2,XBOX)
  • ico (PS2,PS3)
  • ペルソナ3 (PS2,PSP)
  • ルールオブローズ (PS2)
  • ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期 (PS4,PSvita)
 

 

このシリーズの概要

  • 各テーマに沿って計10編ほどを予定。若干タイトルが被るものもありますが、大体計40本弱をご紹介の予定。ちなみに同じタイトルでも別テーマで出た場合は、また違った角度から学びポイントを紹介したいと思います。
  • 基本的に管理人がクリアしたことがある作品から選びます(ごく一部例外あり)。プレステ系列の作品が中心になってしまいますがご容赦下さい。
  • ストーリーを全部説明しちゃっても面白くないので、ネタバレは無しでいきます。
 

フィンチ家の奇妙な屋敷で起きたこと (PS4)

※ こちらの作品はぜひプレイ画面も見て雰囲気を感じて頂きたいです。気になった方はこちら、公式ページへ。

ストーリー概要

住む者が次々と不幸な死を遂げることで有名なフィンチ家。主人公はこのフィンチ家の最後の生存者として、屋敷の中を探索します。

屋敷の中を探索することで、それぞれの家族が亡くなった場面を追体験することができます。それぞれの死へのストーリーを見つけることで、最後に明らかになる真実とは…

管理人的感想

これは不思議な作品でした…。プレイヤーができることはひたすら死の追体験。でも、他のメディアではダメな理由がちゃんとあります。

例えばブランコから落ちて死ぬ男の子のシーンでは、自分で操作してブランコをこぐ必要があるんですよね。もうそのころにはこの作品のパターンが掴めているので、「あ、こいだら死ぬな」と分かる。

でも進めるにはこぐしか無いからこぐんですが…この些細な参加が感情移入を生んでいると思いました。漠然と見せられるのと、自分で操作して死に追いやるのとでは大きく違うんだなと。

また、プレイヤーを飽きさせない構成も秀逸でした。死ぬシーンと一言でいっても、実に様々な見せ方、死に方が繰り広げられます。

大きな屋敷の中で生活していた家族は、本当に全員死んでしまっている。進めるたびに実感が濃くなっていく構成が、切なさを際立たせます。

切ないポイント
  • ひたすら訪れる登場人物の死。それを重くしすぎず、飽きさせない演出が秀逸。
  • 一人で屋敷を探索し、変えられない過去を見せ続けられる切なさ。
学びポイント
  • 人の死は分かりやすい切ないポイント。ときに滑稽な死でも、魅せ方次第で様々な読後感を残せる。
  • 過去を変えられないというのはツライ。ツライからこそ、切なさも生まれる。過去を変えられる作品の良さ、変えられない作品の良さそれぞれがある。


 

DEMENTO(デメント) (PS2)

ストーリー概要

ワンコと一緒に美少女がやべえ奴らから逃げ回る

いや、さすがにファンの方が見たら激怒されてもおかしくないので、ちゃんと説明します。

ただ、最初の一行でも説明できてしまうんですよ…なぜなら。ほとんどワケが分からないまま追いかけられるから!

主人公のフィオナはいきなり城の中に囚われているところからスタートです。なぜ囚われているのか、フィオナ自身も心当たりがないままに逃げ出し、城の中を探索するとしていると…

ここでヤバイやつが出てくるというわけです。いまいち言葉も怪しい大男、人形のように美しいメイドなど…。あからさまな敵意をもっている者もあれば、何を考えているのか分からない相手も。

共通するのはデメント(狂気)に満ちているということ。この一作品だけで、狂気のフルコースが味わえます。

 

管理人的感想

印象深い作品ですね…とりあえず、この記事は切ないがテーマですがそれ以前に怖くてしょうがなかった!

なんとも不条理な世界観ですが、ただ不条理や狂っているという結論では終わりません。ゲームを進めていくと狂気にもそれぞれ、理由があることに気づきます。

狂っているからこそ、ふと顔を出す人間味に切なさを感じずにいられません。

クロックタワーの続編として作られる予定の企画だったそうで、追われる者の恐怖を存分に見舞われました。追っかけてくる相手が、律儀に扉を閉めるだけであんなに怖いなんて…

従来のクロックタワーシリーズではストーリーやキャラクター性は抑えめの印象ですが、本作は敵側も背景が濃く、忘れられないインパクトがあります。

切ないポイント
  • 追跡者側がもっている悲しみ、葛藤
  • 相棒の犬の健気さ
  • 狂気のメイドさんの壮絶すぎるラスト
学びポイント
  • 日常から不意に覗く狂気が怖いように、狂気から不意に覗く日常は切なくもある
  • 何かを執拗に追い求める姿も、時として見るものに切なさを与える。叶わない願いであればなおのこと。

サイレントヒル2 (PS2,XBOX)

ストーリー概要

こちらは冒頭から引き込まれる内容。

主人公のジェイムスは妻から手紙を受け取ります。「思い出のあの場所であなたを待っている……」

しかし、妻は3年前に亡くなっている…。それでもジェイムスは思い出の地、サイレントヒルを訪れます。あとは説明不要、思い出の地は霧が町を覆う異界と化していたというストーリー。

おどろおどろしい雰囲気の中、ジェイムスをさらなる謎と恐怖が襲います。

最後にその真相を目にしたとき、サイレントヒル2が今も語り継がれる名作である意味を知ることになるでしょう。

管理人的感想

ホラーが続きましたね。管理人的には比較的怖さを感じすぎず、先が気になってプレイしきれた作品です。

真相の切なさが印象的ですが、この作品は考えれば考えるほどすごいんですよね。クリーチャーのデザインひとつとっても、すべて意味があります

正直プレイ中はそれどころじゃないので全くわかりませんでしたが…

徹底した世界観の構築に、作り手のこだわりを感じる作品です。それでいてマルチエンディングではかなりお遊び要素もありますが。

切ないポイント
  • 亡き妻からきた手紙を頼りに、命の危険を顧みず進む…これだけでも切なすぎですね。
  • ホラーゲームとは思えない深掘りされた世界観、その先にある結末。
学びポイント
  • どうにもならない悲しいお話も、語り継がれる魅力になりうる。
  • 誰も悪者がいない悲劇は、やっぱり切ない


 

ico (PS2,PS3でリマスター版)

ストーリー概要

「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」

あまりに印象的なキャッチコピーです。ゲーム史上五指に入るレベルではないでしょうか。

生贄にされてしまった主人公の少年イコは、言葉の通じない少女ヨルダと出会います。

二人は閉じ込められている城から脱出すべく、協力をして仕掛けや敵を乗り越えていきます。言葉の通じない少女を怪物から守るため、イコはヨルダの手を引いて進みます。

言葉が通じないからこそ、なんとしてでも守りたい。手を離したくない。

二人の健気な姿は終始切なく、ハッピーエンドを願わずにいられません。なんとかしてエンディングまで導こうとプレイヤーは夢中になるはずです。

ちなみに宮部みゆきさんもこの作品の虜となり、自らノベライズを買って出て小説版も出版されました(失礼ながら管理人は未読)。

管理人的感想

このゲーム、のちにワンダと巨象や人食いの大鷲トリコを手掛けることになる上田文人さんがディレクターを手掛けています。

icoの時点でもその世界観は完成されていますね。画面を見ただけでも作り手が分かるデザインは圧巻です。

管理人はリマスター版ではなく、PS2版をプレイしていましたが当時は切なさよりも必死さが勝ってしまいました。なかなか謎が解けなくて腹が立ったり…若気の至り。

それでも「この人の手を離さない」と感情移入しまくりでしたから。今出会っていたらまた違った楽しみ方ができたのかもなあ…とも思ったりします。

切なさポイント
  • ずっと手をつないでそこにいるのに、言葉が通じないもどかしさ
  • 言葉が通じなくても、必死に伝えようとして通じ合えたときの愛おしさ
学びポイント
  • 創作指南でよく言われることですが、障害は物語を盛り上げるエッセンスになる。今作では言葉だったように、ストーリーやキャラクターとマッチした障害は見る人を惹きつける




 

ペルソナ3 (PS2,PSP)

ストーリー概要

深夜0時、一日と一日の間に隠された時間、影時間…ほとんどの人が気づかないこの時間では、シャドウと呼ばれる異形のものがはびこっていた。

シャドウを倒せるのはペルソナという能力をもつものだけ。ペルソナ使いとして覚醒した主人公は、仲間たちとともにシャドウを倒しながら影時間に隠された謎に迫っていく…。

管理人的感想

ペルソナ4、ペルソナ5の大ヒットで今やJRPGを代表する作品となりつつあるペルソナシリーズ。この4や5のベースとも言えるシステムを生み出したのがここで紹介する3です。

管理人は3作品ともプレイしました(2も罪だけプレイ済み)が、3が一番好きですね。

一言で表すなら4がリア充、5がスタイリッシュとして、3は退廃的とでも言いましょうか。

序盤でこそ正義のヒーローぐらいのノリでシャドウ討伐に向かう主人公たちですが、物語が進むにつれ、実は世界が滅びゆく最中であることを知ります。

日が進むにつれて刻々と暗く変化していく街の様子…そして仲間たちとのぶつかり合いや別れ。

この作品、クリアするまで100時間オーバーもありえるという当時のRPGとしては特筆すべき長さですが、だんだんクリアするのが惜しくなっていくほどはまりました。

特に終盤は、秀逸なBGMも相まってゲーム全体が切ない雰囲気となり、終焉が近いことを嫌でも伝えてきます。

こんなに長い作品なのに、後に出た追加要素モリモリ版、P3フェスも最後までクリアしたもんなあ…。十代で出会えたからこそ感じるものが多くあった、忘れられない作品です。

特に、寮暮らしっていうのもポイントが高かったですね。家に帰ると「おかえりなさい」と仲間が出迎えてくれる。

ペルソナ4や5よりけっこうギスギスした人間関係なんだけど、それを乗り越えて結束が深まるからこそグッとくるものがありました。

切ないポイント
  • 世界がゆるやかに退廃していく様子。
  • 長い物語を終わってほしくないと思わせるほどの、仲間たちとの絆。
学びポイント
  • やはり登場人物たちとの関係の深掘りがされていると、より切なさも増す。
  • 本作ではBGMによる演出が非常に効果的。小説にBGMは無い分、文章や描写での演出も大切にしたい。
 



 

ルールオブローズ(PS2)

ストーリー概要

舞台は1930年のイギリス。主人公のジェニファーがたどり着いたのは、森の中の孤児院だった。

そこは赤いクレヨンの貴族と呼ばれる階級制度があり、少女たちが絶対的な上下関係のもと場を支配していた。

「さびしいびりっけつ」という称号を与えられたジェニファーは理不尽ないじめに逢いながら、犬のブラウンとともに物語の謎を解いていく。

管理人的感想

上記のDEMENTOとも共通点の多い、不条理系ストーリーの本作。DEMENTOよりもホラー描写や演出は控えめにですが、こちらは生理的嫌悪感を浴びせてくる内容が多いです。

耽美な世界観、練りこまれた設定、ヨーロッパでは未成年者に与えてよいかどうかの議論にまで発展した衝撃的なシーンの数々。EUの司法大臣は「みだらで暴力的だ」と批判するまでに至ったそうな。

口コミで話題を呼び、今となっては新品未開封品は5万円近いプレミアがついた価格に! コアなファンが数多くいる作品です。

注目したいのは数少ない絶対的な味方、犬のブラウンとの関係性。

本作の癒しでもあり、キーパーソンでもある彼との顛末は、他では味わえない切ないものとなっています。プレイ後は当分引きずります。全身が脱力します。

どう書き連ねても語るに落ちる…プレイするのが難しくなっている作品ですが、ぜひ多くの人に手にとってもらいたい物語です。

なんだったらプレイ動画でもいいので見てもらいたい。

切ないポイント
  • なんといってもその結末…人のエゴや愛情について、ガツンと考えさせられます。
  • 登場人物一人ひとりの、無邪気さと残虐さ。
学びポイント
  • 物語の中で語りすぎないことが、痛烈な余韻を残すことがある。
  • 貫いたテーマ1つで、これだけ多様な物語を作り出すことができる。


 

ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期(PS4、PSvita)

ストーリー概要

ダンガンロンパシリーズ3作目の今作。昨今乱立した、デスゲームブームを先導したシリーズといってもいいかもしれません。

シリーズに共通しているのは超高校級と呼ばれる才能をもった16人の高校生が閉じ込められ、脱出の条件として同級生の誰かを殺すことを提示されるという展開。

ただし人を殺した生徒は、生き残りの生徒全員で行われる学級裁判を潜り抜けなければなりません。

殺人を犯したクロとしてバレなければ晴れてゲームを卒業、バレた場合には…モノクマによるオシオキが待っています。

プレイヤーは主人公を操り、命がけの学級裁判に立ち向かうというセンセーショナルな設定です。

本作も3作目ということで数多の進化を遂げていますが、基本的な設定は同様です。

管理人的感想

このシリーズってすごいと思うんですよね…毎回高くなるハードルをこれでもかと飛び越えてくる

2の、とあるシナリオなんて、ミステリー界に語り継がれていいクオリティの話じゃないかと思います。このゲームだからこそ成り立つ、最高級のトリックと衝撃が味わえます。

さて、今回の切ない編では3を挙げさせていただきました。そもそもが高校生同士で殺しあうという設定上、シナリオが進めば進んだだけ死人が出ます。

なので3作とも切ない展開は満載です。信頼と裏切りが交じりあい、心強い味方や守りたい誰かが死んでしまうことも多くあります。

特に2を挙げるか3を挙げるかでは非常に悩んだのですが…今回は3を推します。ネタバレは避けたいので詳細は省きますが、これだけは言っておきます。

5章がやばい。

気になった方は、ぜひ事前情報なしでプレイしてみてくださいね。あと、寝る前に学級裁判を始めるのはやめましょう。解決するまで気になって止められず、気が付けば午前3時というのは管理人の実体験です(ダメな大人)。

切ないポイント
  • ネタバレ無しで説明するのが難しい…5章以外にも切ないポイント満載。
学びポイント
  • 強烈なキャラクターや設定をうまく使うことで、既視感のない切なさも作り出すことができる。


 

まとめ

こうして見ると切なさと1口にいっても、世界観、キャラクター、ストーリー展開、など様々な要素を使って表現できることが見てとれました。

また、切なさというと別れや生き死にの話がイメージしやすいところですが、うえで挙げた7本の中だけでも幅広い感情から生まれた切なさがありました。

執着心、嫉妬、無邪気さ、狂気、孤独、絆…先入観をもたず、感情を掘り下げていくことで新しい感動が生まれるのかもしれません。

 

おまけ。今回から、終わりの挨拶をつけることにしました。最後まで読んでいただいた方へのささやかなお礼(?)ということで。

ではでは、最後まで読んでくださりありがとうございました!@蒼井優ロスが今ごろ来ている管理人kei