作家志望者に対してあなたの作品は売れるなどといった文句で勧誘し、不当に高額な自費出版契約へと誘導するというのが大まかな内容です。
アマチュア物書きたちにとって出版は大きな夢。夢があるということは無限の活力となりえますが、時に悪意をもった相手に狙われてしまう場合もあります。
今回、自費出版とは違いますが管理人が関わったサイトも、ネットで検索すると「詐欺だ!」「悪徳業者に注意!」などと過激なコメントで警鐘を鳴らすものが多く見つかりました。
本当に詐欺であれば、当ブログも読者の方に新たな被害者が出ないよう警告をすべきです。今回の記事は、管理人が自らこのサイトの見本誌を請求し、感じたことについてお伝えしたいと思います。
2021年4/12追記
ハッピーネットワークさんは、2023年8月をもっての廃刊と新規会員募集の停止をホームページ上に掲載したとのことです。情報提供いただき、ありがとうございました。
ハッピーネットワークさんは、2023年8月をもっての廃刊と新規会員募集の停止をホームページ上に掲載したとのことです。情報提供いただき、ありがとうございました。
目次
投稿雑誌「ハッピーネットワーク」とは?
そもそも、ハッピーネットワークとはどういったものなんでしょうか。管理人が頂いたお手紙を元にその概要をご説明します。管理人が実際に見本誌請求をし、頂いたお手紙
活動内容 小説、イラスト、漫画などを投稿し、読者の方や会員同士と交流できる雑誌
会員 日本全国に約100名ほど。中学生から50代まで在籍。女性が7割、平均年齢およそ35歳。トータルで4000人以上が入会。10年以上の継続者も十数名。
創刊 1993年8月
特色
- 投稿するとファンレターが届く。
- 年に数回は東京で集会を行っており、リアルの交流の場にもなっている。
- 会員同士で結婚した夫婦が10組(!)ほど。
- 毎月、全国各地の名産品などのプレゼント企画を実施。
ちなみにホームページがこちら。
イラスト、詩(ポエム)、小説、漫画、エッセイ、童話、
オリキャラなどの文芸作品を掲載。直筆のファンレターがたくさん届き、…
正直、手紙もホームページも詐欺らしい印象は受けませんでした。それでも「ハッピーネットワーク」で検索すると【悪質】だの【注意】だの、批判的な記事が山ほど出てきます。
なぜ批判されているのか? また、その批判は正当なものなのか? 管理人は実際のところを調べてみることにしました。
なぜ批判されている?
ことの発端は当ブログに、ハッピーネットワークさんの運営者の方から勧誘メールが届いたことからでした。希望があれば見本誌を送ります、と。早速見本誌を依頼。平行して、ネット上で指摘されているハッピーネットワークさんの問題点についてまとめてみると以下のようなものがありました。
- 創作をしている人を食い物にする悪徳商法だ
- 一度入会したら退会できない
- ホームページで有料であることを明記しておらず、投稿にお金がかかることも後出しだ
- 個人情報を収集されている
- 会員から集めた金で家を建てたらしい
①創作をしている人を食い物にする悪徳商法だ
とりあえずこういう文言をよく目にします。これについては結論にあたる部分だと思いますので、後ほど言及したいと思います。②一度入会したら退会できない
管理人としては、批判内容が事実だとすると一番マズイ、詐欺と呼ぶに相応の問題点ではないかと思いました。いくつか見たサイトで書かれていることとしては、『一度入会してお金を払うとすぐに退会させてもらえず、延々お金を取られる』とのこと。それはアカンですね…早速アウト確定案件か、と思ったのですが。気になった点が。それは支払い方法について。
見本誌を取り寄せたところ支払い方法が書かれていたのですが、なんと郵便振替オンリーなんですよね。このご時世になかなかのオールドスタイル。
まあそれはさておき、郵便振替ということは、自分でわざわざ振り込まないとお金が支払われないということになります。自動で引き落としされるような方法ではないわけです。
仮に、一度登録するとしつこく勧誘のメールや手紙が来るとして、無視することは十分可能なのでは…と思ったのです。事実ならうっとうしいのは確かですが。
勧誘がうざいのは事実の可能性があるとして、詐欺と呼べるほど退会希望者からお金を取っているのかどうか…これについては疑問が残る結果となりました。
といっていろいろ調べていると、「退会希望を出すと休会を勧められ、まずは休会費用を払うよう手紙がくる」との記載が。なるほど…それはうざい。
ただ、それを放っておくと除名されるそうです。そこから考えるにこれは詐欺というより、利用者の利益よりも運営の利益を優先している悪手ではないかと感じました。というか、運営の方のキャラクターなのかもしれませんね…。
③ホームページで有料であることを明記しておらず、投稿にお金がかかることも後出しだ
これについてはグレーゾーンといった印象です。投稿料金に関しては、確かに不親切ではないかと感じます。なにせ管理人、運営者の方と直接メールでやりとりをしたのですが、作品の投稿について質問した際にも料金についての説明はありませんでした。
サイトや説明文から受ける印象としては、無料で投稿できると思われても無理はないと感じました。
ただ、無料で送られてきた冊子の中で一応料金体系については明記されています。購読にかかる料金も同様であり、明確に記載されています。
また、投稿に関する料金の後払いは受け付けていないと書かれています。これはすなわち、無料だと思いこんで投稿し、掲載後にお金を請求されるという事態は起こらないということです。
たしかに無料見本誌を受け取ってから分かるのは不親切かもですが…まずは無料でいいから実物を見てもらいたい、という考えは理解できなくもないです。
このため、管理人はこの料金体系の表示について、不親切ではあるもののお金をだまし取られる可能性は低いのではないか、と判断しました。
④個人情報を収集されている
これはもう、仕方ないんじゃないでしょうか。このご時世、個人情報をどこまで提示するかは自分の責任だと思うのです。雑誌を介した参加者同士の交流といったことをテーマにしているサイトに参加するのに、住所を送らないでおくというのは無理があるでしょう。
このサイトの管理人に対して、個人情報を収集していると批判するのは無理があると思います。悪用している証拠があるなら別ですが…。
インターネット上の相手に個人情報を送るリスクを上回る価値があると判断すれば無料の見本誌請求を行い、それだけの価値がないと思えばスルーするまで。
悪用しているかはともかく、個人情報の扱いに関しては怪しいラインの書き込みも見かけましたが(会員の連絡先が載った雑誌を図書館に置いている、など)。
ただ、今回管理人が請求した見本誌には個人情報につながる情報は載っていなかったんですよね…連絡先なんてもってのほか。
もしかしたら過去には、書き込みのような事実もあったのかもしれません。
もしも、個人情報の取り扱いに関してハッピーネットワークさんを批判するのであれば、「個人情報を収集している」ではなく「個人情報の扱いが不適切である」といったところでしょうか。
管理人が情報を集めた中で怪しいと感じたところとしては、退会した後も勧誘の手紙や電話が来た、という書き込みです。退会した時点で、個人情報は破棄されるのが妥当ではないかと思います。
ただ、実際に購読されたという方の記事に、「退会はすんなりできてその後トラブルもないまま過ぎている」といったものもみられました。
このあたりは何が真実なのか判断が難しいですがいずれにしても、個人情報を請求されるから、という理由で批判が起こるのはサイトの性質上、筋違いなような気がしてなりません。
⑤会員から集めたお金で家を建てたらしい
これについてはアホくさ…としか思いませんでした。ものすごくどうでもいい。そりゃ、怪しい壺をうん百万円で売った金だとか、オレオレ詐欺で高齢者からだました金で家を建てた、となれば許されることではないですが…。
言ってみればこれは需要と供給の話だと思うのです。責められる部分があるとすれば、家を買えるほど利益が出るなんて不当に高額な会費なんじゃないか、という点ですが。
そうはいっても参加している会員の方が楽しんで、その金額で納得していればそれが適正料金だと思います。運営方法に難はあれど、得た利益の大きさや使い道に関しては批判の対象に当たらない、というのが管理人の考えです。
結局のところ、悪徳商法なのか
ここまで見たところで先ほど後回しにした①創作をしている人を食い物にする悪徳商法だという批判について考えていきたいと思います。管理人の個人的見解としては…運営のマズさ、不誠実さはあり得るものの悪徳商法には当たらない。という結論です。
ハッピーネットワークという情報誌自体は、正当な金額と企画のもと、今現在も納得して参加している会員にとって有意義な交流スペースだと考えます。
今回記事にするにあたって、かなり古い2ちゃんねるの書き込みなども遡ってみたのですが…おそらく、火のないところに煙は立たないという言葉どおり、それなりにヘイトを集めてきたのは事実だと思います。
ただ、検索して上位に出てくる最近のハッピーネットワーク批判の記事に関しては、信憑性に欠けるものも多いです。
気になったのが、新しいサイトの記事や書き込みを中心に、「らしい」という言葉が並ぶことです。
もちろん中には実際に参加した方、体験談を書かれている方の書き込みも見かけました。運営に対する不満などは見かけるものの、それは運営の質の高い低いの話であって、詐欺だと断言すべき内容は見つからず。
よく見かけたのは、「ハッピーネットワークって検索したら怖い詐欺サイトって出てきた。みんなも気をつけようね><」とか、根拠のない中傷、煽りといった書き込みでした。
これ、よく気を付けないといけないと思うんですけど、運営の質に難があるサイトと、不当な請求や騙しでお金を取ろうとする詐欺サイト、では全く意味が違うと思うんですよ。
今も楽しんでいる会員の方がいて、うたい文句どおり情報誌の発行や交流会等の活動が続いている。
それに対して、運営の仕方の批判はまだしも中傷する権利は誰にもないと思います。
災害時にTwitterでウソの情報が、善意によって拡散されて混乱が生まれたというケースがありました。インターネット上の情報は背びれ尾びれが付きやすく、「~らしいよ」でまかり通ってしまうことが多々あります。
ですが、よくよく元をたどってみると、いつの間にやら誇張されていたり事実と異なっていたとなれば、ウソの情報で誰かを傷つけたり潰してしまったりということが起きかねません。
これだけ情報があふれている現代ですので、絶対にウソを発信しないというのは至難の業ですが、誰かを批判するときは特に、その情報の確かさを検討してから行いたいと感じた例でした。
おわりに
いろいろと書きましたが、管理人はというとハッピーネットワークさんの定期購読は行いませんでした。詐欺と言われているからではありません。雑誌の内容と金額を見て、管理人のお財布事情からは出せないな、と感じたからです。
ただ、今も100人ほどの会員さんがいらっしゃるように、ここにしかない魅力があるのも事実です。インターネット上の交流は用意にできる現代ですが、実際に手紙や交流会でやりとりできる場というのはまた違った楽しさがあるでしょう。
書いた作品が誌面に載り(有料ですが)、手書きの感想をもらえるなんて場はそうたくさんは無いというのは事実です。
上で挙げられたような事実を受け、個人情報を提示することも踏まえたうえで、この雑誌に魅力を感じた方は一度無料の見本誌を依頼してみるとよいと思います。
ちなみに雑誌は一冊800円、年6冊発行です。管理人は無料の見本誌を依頼したうえで定期購読をお断りしましたが、特にその後で勧誘がきたりといったことは今のところありません。
なお、今回載せた記事は個人で調べた範囲ですので内容に限界があることは承知しています。事実と異なる点、追加の情報等ありましたら、ご連絡をいただけると幸いです。
最後に改めて、ハッピーネットワークさんのホームページへのリンクを載せさせて頂きます。
イラスト、詩(ポエム)、小説、漫画、エッセイ、童話、
オリキャラなどの文芸作品を掲載。直筆のファンレターがたくさん届き、…
本日の記事はここまでです。最後まで読んで下さりありがとうございました!@カフェに長居しすぎて水を注いでもらえなくなってきた管理人