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PSの名作「moon」が好きな方は伊坂幸太郎さんの「オーデュボンの祈り」を読むべき【switchでも発売中!】

以前、平山夢明さんの「ダイナー」という小説作品と、米津玄師さんの「メランコリーキッチン」という曲が最高に合う!という記事を書きました。  

小説と音楽という、カテゴリーを超えた組み合わせだったわけですが、今回はまた新たな組み合わせを発見!

今回ご紹介するのは、ゲームと小説という取り合わせでの数珠つなぎ

なにせ世の中には無数の小説にゲーム、音楽に映画、挙げていけばキリがない娯楽があります。

人生という限られた時間の中で、手に取って触れられるものなんて全体の数からすればごくわずか。だからこそ自分に合った作品を選びたいもの。

もしあなたが、プレイステーションの名作ソフト「moon」のファンなら…きっと伊坂幸太郎さんのオーデュボンの祈りがぴったり合うはず!

※ 2019年より、moonはswitchでも遊べるようになりました!

今日の記事は、その理由をお伝えしていきたいと思います。

ちなみに、このブログは文芸ネタ専門のブログですので尋ねて来て下さるのはmoonを知らないという方が多数派だと思います。

moonってどんなゲーム? という点については最後に掲載させて頂きましたので興味が湧いた方はご参照ください。管理人はいい歳こいてLINEのアイコンをmoonの主人公にしているぐらいのmoonヲタです。興味をもってくれる方が増えると嬉しい…!

 

 

逆はアカンのか?

と、本題に入る前に素朴なギモン。

「moon」が好きな人は「オーデュボンの祈り」も好きなはず!というニッチなテーマの本記事ですが、逆はダメなんでしょうか?

すなわち、「オーデュボンの祈り」が好きな人は「moon」も好きなはず!という図式は成り立たないのか。

答えは、逆でも成り立ちます。

ただ…moonを今から手に入れるのはなかなかハードルが高いのです。なにせ新品未開封品はAmazonで45000円のプレミア価格となっている品ですから。

まあ中古は3000円ぐらいに落ち着いてきていて、以前よりは手に入りやすくなりましたけどね。ただいかんせん初代プレイステーションというのが…。アーカイブでも出ていないので、プレイすること自体にややハードルがあります。
この記事を書いている最中に知りましたが、ニンテンドーショップで2019年9月から買えるようになっていました!switchがある方、ぜひ一度触れてみて!
反対に、オーデュボンの祈りは容易に手に入りますから!1000円以内で買えます。電子書籍が買える環境なら1クリックですぐ読めるわけです。

現実的に選びやすい方ということで「moon」が好きな人は「オーデュボンの祈り」も好き!というタイトルにしましたが、反対もまた真なり。

「オーデュボンの祈り」が好きでゲームも好きな人は、この記事を読んで「moon」を手に取って頂いても満足いただけることと思いますよ。

 

 

まずはこの画像を見てほしい

ではここからが本題。口でどうこういうよりともかく、まずはこの画像を見て頂きたい。

ワンダ

こちらはmoonの中に登場するワンダというキャラクター。ちなみに管理人が持っている攻略本を撮影しました。

↓管理人にとって宝物ともいえる攻略本…だいぶボロボロになってきていますが。



注目して頂きたいのは、説明文のところ。

『太り過ぎてカウンターから出られなくなってしまい、一日中カウンターの中で過ごしている。寝るときもカウンターの中』

これ、オーデュボンの祈りを読まれた方ならピンとくるのではないでしょうか?

その通り、オーデュボンの祈りにはウサギさんという、ほぼ同様の状態になってしまっている人物が登場するのです。

まさか、たったそれだけの一致でmoonとオーデュボンの祈りを結びつけようというわけじゃないだろうな…?そんな風に思った方、ご安心を。

確かに、明確な共通点といえるのはここだけかもしれませんが、大事なのは世界観。太り過ぎて動けなくなった人、が違和感なく、どこか微笑ましく存在できる世界…それこそがmoonとオーデュボンの祈りの一番の共通点と言えるところだと思うわけです。

 

 

登場人物を対比させてみよう

さてさて、オーデュボンの祈りとmoonの世界観は共通するところもあれば、もちろん違うところも数多くあります。

世界観となると、実際に読むなりプレイして頂くなりで感じて頂くことが一番…ではあるんですが。それではこのブログの意味がないというもの。

ここからは、世界観の中のひとつの要素にすぎませんが何かしら共通点のある登場人物を並べて比べてみようという試みです。

どちらの作品も魅力的な人々ですので、眺めているだけでも面白いですよ。

 

 

物語の案内役… ヨシダと日比野

moonの案内人、ヨシダ (とムツジロー)

ヨシダ

まずはどんな作品にも必須といえる、物語をリードしてくれる頼もしい味方!

moonの案内人はこちらの…鳥! しかも関西弁をあやつる鳥! 旅行代理店もやってる鳥!

moonの世界では基本的に横文字の名前ばかりなんですが…レアな日本名でしかも苗字のヨシダという名前。うさん臭さ満載です。

考えてみれば、オーデュボンの祈りでもリョコウバトという鳥が物語において重要なキーになってくるわけです。こんな些細な符合でも、両方のファンにとっては嬉しいものです。

ちなみにmoonの案内人といえばもう一人、こんな方も。

ムツジロー

見た目もネーミングもギリギリアウトなこの方、ムツジローさん。ゲーム内ではご丁寧にテレビ中継で「ムツジローとゆかいな仲間」という番組まで放送しています。

こういう少し黒い笑いは、オーデュボンの祈りとは違うところかもしれません。元ネタを隠す気がさらさらないパロディ描写は噴飯ものですよ。

 

オーデュボンの祈りの案内人、日比野

オーデュボンの祈りでは日比野という人物が案内役となるわけですが…この方もまた独特。

まず見た目。以前の記事、いろんな作家さんの描写から学ぼう ~人物の服装・髪型・外見編~

でも触れましたが、↓のような描写がされています。
犬だ、と真っ先に思った。顔がふてくされた犬に似ていたのだ。髪を無造作に伸ばしている。背格好は僕と同じ程度だった。たぶん、年も同じくらいに違いない。(中略)彼は、喋るとますますゴールデンレトリーバーに似ている。良くみれば、整った顔立ちなのかもしれない。
管理人的には、正直ゴールデンレトリーバーに似ている男というのが全く想像できなかったのですが…読み進めれば読み進めるほど、日比野のイメージがちゃんと固まってくるんですよね。

また、この外見を布石にして、後半は犬に見立てて描写がされることでオリジナリティとユニークさがあり、時に切ない表現にもつながります。

外見だけでなく、日々野は価値観や行動も独特、でもどこか憎めない…これはヨシダにも共通していることといえ、両作品の案内役の魅力となっています。

 

 

異様な断罪者… 勇者と桜

moonの断罪者、勇者

勇者

お次はこちら。この絵面を見て、どれだけの人が正義の味方だと思うでしょうか?

ですが彼はれっきとした勇者です。ドラ〇エなど多くのRPG(ロールプレイングゲーム)でおなじみの、世界平和のために戦う彼なんです。

そして、彼の存在こそがmoonを象徴するともいえる強烈な皮肉のうちのひとつ。

人の家に上がり込んでタンスから勝手にアイテムを回収していく勇者世界のための経験値稼ぎといい、虐殺を繰り返す勇者…

彼の存在は本当に正義なのか…このmoonというゲームが繰り出す答えは、プレイヤーの想像など軽く超えたものを打ち出してきます。

 

オーデュボンの祈りの断罪者、桜

オーデュボンの祈りでは、こちらもかなりぶっ飛んだ正義(?)が存在しています。

桜という美青年は島で唯一、人を殺すことが認められています。桜は自分の倫理観…といえるのかも分からない、桜なりの価値観で人を銃殺するのです。

島に裁判などありません。警察も嫌々ながら、桜の存在を黙認しています。一応殺されるにはそれなりの理由がある者ばかりなんですが…殺された側の遺族も、「桜にやられたなら仕方ない」と受け入れる驚きの世界観。

ちなみに「桜」のイントネーションは人名に使われるそれではなく、植物を呼ぶときの「桜」らしいです。この辺も独特で面白い。

勇者にしても桜にしても、敵か味方か、脅威か信頼か…危うさと力をもつ存在は、物語に驚きとスパイスを与えてくれます。

ちなみに余談ですが、moonの製作スタッフの方が作ったPS2のゲームソフト「チュウリップ」では↓のおまわりさんが登場します。

彼は普段は心優しいおまわりさんなんですが、実は拳銃を打ちたくて仕方がないという病を抱えています。夜に出会うと速攻で乱射してきます…全然違いますが、桜について読んだとき、管理人はこのおまわりさんを思い出しました(笑)

ポリスさん 夜に会うとトラウマレベルで怖いポリスさん



ちなみに本記事のトップにあるかかしの画像も、このチュウリップというゲームの中に出てくるかかしです。オーデュボンの祈りのかかしとは関係ありませんが、ご容赦ください。

 

 

変質者?愛情? … ニッカ&ポッカと園山

moonの変質者(?) ニッカとポッカ

ニッカとポッカ

さてお次は変質者シリーズ。なんとも危なっかしいくくりにしてしまいましたが、本当に両者とも変質者がいるんだから仕方がない。

それでも…彼らがただの奇異な存在として一言で片づけられるかどうか…はぜひ作品内でお確かめを。

それではまず、moonからご紹介するのはニッカとポッカのペア変態。

彼らは大工の親方と大切な相棒という関係…だったわけですが、親方であるニッカは悩みます。ある日突然、ポッカが変態になってしまったのです。

「自分も変態になるべきかならないべきか、それが問題だ」

悩めるニッカが出した答えとは……きっとそれもラブ。

 

オーデュボンの祈りの変質者(?) 嘘しか言わない画家、園山

オーデュボンの祈りでは、何を聞かれても嘘しか言わない園山という画家が登場します。しかし彼は、元は聞かれたことに真っ当に答えるただの画家だったのです。

彼が嘘しか言わなくなってしまったのは、奥さんを失くしてから…一見ただの変なやつに思える園山にも、なんとも切ないストーリーがあります。その顛末については、ぜひ作品を読んでお確かめください。

 

 

本当はいつだって味方… おばあちゃんと祖母

最後に紹介するのはこちら!主人公を支えるおばあちゃんの存在。

おばあちゃん

moonに登場するおばあちゃんはこんな外見。見た目通りとっても優しいおばあちゃんでありストーリーの再序盤から、異世界でさまよう主人公の味方になってくれます。

ただこのおばあちゃんにも秘密が…実はおばあちゃんは主人公を孫として接してくれますが、主人公はおばあちゃんの孫ではありません。

目が不自由なおばあちゃんは家に迷い込んできた主人公を、失踪した孫が帰ってきたのだと勘違いしているのです。

なんとも切ない話ですが、おばあちゃんの愛情に勇気づけられたプレイヤーは多いはず。

ところで、失踪したお孫さんはどこにいったんでしょうか…衝撃の真実は、プレイして頂いてからのお楽しみ。

 

オーデュボンの祈りの味方、亡くなった祖母

オーデュボンの祈りでもおばあちゃんが登場します。こちらはもう少しファンキーで、世の中の酸いも甘いも知り尽くしたようなおばあちゃん。

主人公の祖母であり、すでに亡くなっているわけですが回想シーンでの言動の数々はどれも印象的。

名言製造機なおばあちゃんなんです。主人公は祖母との関係を思い起こしながら、時に困難に立ち向かっていくことになります。

moonのおばあちゃんも、オーデュボンの祈りの祖母も、非日常的な世界観の中で主人公を支えてくれる存在となります。

 

 

moonってこんなゲーム

ざっとですが、両者の登場人物を並べてご紹介してきました。

ものすごく今更ですが…そもそもmoonってどういうゲームかということに触れていませんでしたね。

オーデュボンの祈りに関しては、伊坂幸太郎さんのデビュー作であり詳細は前記事の

【ネタバレ無しレビュー】オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎 予言するカカシはなぜ殺された…?

を参照いただいてもいいわけですが、moonについては補足が必要そうです。

…と思って調べていたら。なんと、2019年9月、公式サイトが新しくできているではありませんか…!

ニンテンドーショップで購入がダウンロード版が購入可能になったそうで。しまった、完全に乗り遅れた。どうりで中古のソフトがやたら安くなっているはずだ。switchがあればプレイできる!うらやましいぜswitch民!

というわけで、最近改めてアップされた紹介動画と公式サイトを貼っておきます。ご興味がある方はぜひ一度ごらんください!





 

 

おわりに

というわけでmoonとオーデュボンの祈りの世界観をご紹介してきました。

両作品に共通していえることはたくさんあるというわけですが…一番大切なのは、いずれの作品もなんだかんだどこか温かい。ということではないでしょうか。

黒さもある両作ですが、それぞれの物語を終えたときに心に残るものがきっとある。

この記事を見て気になったという方は、一度手に取ってみて損はないはずすよ!

 

本日の記事は以上になります。最後まで読んで下さりありがとうございました!@カップラーメンを食べた3時間後の空腹感は異常。管理人kei