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【小説以外からも学ぼう】魅力的なストーリーのゲームソフト⑥ <ホラー・狂気編-1>

ストーリー構成を学ぶ教材は、なにも小説だけじゃなくていいじゃないか。という発想から始まったこのシリーズ。元記事はこちら PART⑥となった今回はホラー&狂気編(前編)!

ホラー、あるいは狂気で魅力的なシナリオの作品は紹介したい作品が多く、前後編になってしまいました…世の中はどれだけホラーにあふれているんだ!

 

ゲームから学ぼうシリーズ過去記事リスト
 

今回の前編でご紹介するソフトはこちらの4本!
  • 黒の十三 (PS)
  • 学校であった怖い話 (SFC、PS)
  • レイジングループ ( iOS、Android、PS Vita、PS4、Switch、PC)
  • リンダキューブアゲイン (PCE、PS、SS)
 

 

このシリーズの概要

  • 各テーマに沿って計10編ほどを予定。若干タイトルが被るものもありますが、大体計40本弱をご紹介の予定。
  • ちなみに同じタイトルでも別テーマで出た場合は、また違った角度から学びポイントを紹介したいと思います。
  • 基本的に管理人がクリアしたことがある作品から選びます(ごく一部例外あり)。プレステ系列の作品が中心になってしまいますがご容赦下さい。
  • ストーリーを全部説明しちゃっても面白くないので、ネタバレは無しでいきます。
 

では以下より、早速各作品についてご紹介!

 

 

黒の十三 (PS)

一本目は、ホラー特集をやるときには必ず入れようと最初に決めた作品。黒の十三!

わりとマジの名作だと思っているんですが、知名度は低めですね…

 

ストーリー概要

本作はホラーの短編シナリオ13本から構成されています。

ゲームシステムはいわゆるサウンドノベルというやつで、途中の選択肢を選ぶ以外はほぼ読むだけ。ゲームとしては物足りないかもしれませんが、その分誰でもクリアできるようになっている作りです。

特筆したいのはなんといってもそのシナリオ!というか、シナリオ以外に語るものはない!

それぞれの作品を違う作家さんが担当(一部重複あり)されているので、正直それぞれの完成度にはムラがありますが、ところどころ強烈なシナリオが出てくるため、マイナーゲームと侮ってはいけません。

もはやプレイすること自体は難しくなっておりますが、youtubeという便利なコンテンツがある世の中です。気になった方はぜひ、動画だけでも見てみては。

ちなみに、最強シナリオはなんといっても「羽音」です。好みがあるので、どれが一番好きか、というのは別れると思いますが、最強は羽音で間違いないと思います。

なにが最強って…トラウマ度が。

この衝撃…オープニングのさわやかな音楽からは想像もつきません。とにかく陰鬱でどうしようもない。こんな物語があっていいのか。

 

ご覧になる場合は自己責任でどうぞ。



 

他にも、管理人は『雨に泣いている』なんかも印象深いですねー。

 

 

管理人的感想

けっこう長くて読むのが大変なシナリオもあるんですが、味付けの違う十三編はどれも面白かった。

羽音はしばらく衝撃が頭から離れませんでしたね…。誰にぶつけたらいいのか分からない陰鬱さを抱えることに。

ところで、本作はゲスト作家として綾辻行人さんが参加されており、12編をクリアした後のボーナスシナリオ的存在として綾辻さんのシナリオが出てくるわけですが…

これは正直拍子抜けでした。13番目に出てくるくせに、どの話よりも一番インパクトが弱かった。

しかし、全体的にバッドエンドの話も多いのに、もう一度全編を見直したくなってきた不思議。もっと知られてほしい作品です。

 

 

学びポイント
  • とことんまで暗い、ホラーの限界突破がここにある。
  • ホラーにバッドエンドはよく似合う
 







 

学校であった怖い話 (SFC、PS、PS3、PSP、Wii、WiiU)

2本目はこちら。これまたサウンドノベルの名作ホラーゲーム、学校であった怖い話。

何度かリメイク版も作られており、人気とクオリティの高さが伺えますね。

 

ストーリー概要

この作品もホラーシナリオの短編集…と言ってしまえばそれまでなのですが、まず驚くべきはその量!

6人の高校生から怖い話を聞いていくわけですが、同じAというキャラクターから話を聞くにしても、1番目に聞くか2番目に聞くか、順番によって全く違う話になるんです。

加えて、最終シナリオは6番目に選んだキャラクターから派生したものに。単純計算で6×7で42話なんですが…

さらに、42話のシナリオはその話の中の選択肢次第でいくつにも分岐します。一見同じような切り口から始まっても、気が付けば全く違う展開、なんていうのはしばしば。

もう知っているシナリオと思って油断していると、思わぬところからトラウマ級シナリオが飛び出してきます

中にはホラーではなく、気が抜けてしまうようなギャグシナリオが入っているのもアクセントとしていい感じ。

さらにさらに、特定の条件を満たさないと出てこない隠しシナリオもあり、本当に全部で何話分のストーリーが入っているのか把握できないほどなんです。

そして一話一話のクオリティも高い。幽霊、妖怪、SF、不可解、怪談、人間の怖い話などなど…バラエティに富んでいます。

 

管理人的感想

管理人が初めてプレイしたのは初代スーパーファミコン版で、小学生のころでした。

何も知らずにプレイしていたので、二周目で展開が全く変わったのは衝撃的でした…もうそのあとは夢中でプレイ。

数ある恐怖シナリオの中でも、有名なものに逆さ女というのがあるんですが、これは本当に怖かった…

友達と2人でプレイしている時に逆さ女が突然出たもので、2人してコントローラーを投げ出して叫びまくり。

「電源切れ!」という結論で即合意したんですけど、電源を切るには本体に触らなければならず、本体に触るにはテレビ画面に写る逆さ女に近づけないといけない。でもそれが怖い…ということで、しばらくもめたことを思い出しますw

今ならコントローラーで電源を切れるから、こんな惨状にはなりませんでしたね。そんなことも含めよき思い出。

逆さ女、気になった方は検索をしてみると良いかも。やっぱりトラウマになった方は多いようで、ググるとむちゃくちゃ画像が出てきますw

管理人のトラウマ、初代逆さ女さんは赤い髪のヤツですね。

 

学びポイント
  • オムニバス形式の作品はこうあれ!とにかく物量とバラエティで魅せるスタイルがある。
 



 

 

レイジングループ  (iOS、Android、PS Vita、PS4、Switch、PC)

3本目はこちら。過去記事の伏線回収&どんでん返し編でもご紹介したレイジングループ!今回はホラー要素に焦点を当ててご紹介。  

ストーリー概要

人狼ゲーム。それは本来、対人で行うテーブルゲームの一種。

プレイヤーたち村人の中に紛れ込んだ、人狼が誰かを推理するという、騙し合いが重要なゲームです。

村人vs人狼という構図をデスゲームに落とし込んだらどうだ…ということで、一時期はこのルールのまま殺し合いをさせられるような映画や小説、漫画が乱発したミニブームの時代がありました。



↑のような作品が、今でもTSUTAYAのホラーコーナーに行くとたくさんあります。

そしてこのレイジングループも、人狼ゲームをモチーフにしたデスゲーム、なわけですがそれだけでは終わらないオリジナリティが。

なんと、主人公は殺されてもループして生き返ることができるのです。そしてこのループこそが、本作をただのデスゲームで終わらせない、衝撃的な真実へと導いてくれる仕掛けとなっているのです。

そして、今回のテーマである「ホラー&狂気」という点においても、なかなかに上質な衝撃を叩きつけてきます。

 

 

管理人的感想

その伏線回収やミステリーとしての面白さについては、過去の記事でも触れているため割愛します。というわけで、今回はそのホラーな部分についてピックアップ

この作品、怖いのはもちろんなんですが、2種類の怖さが体感できるところもポイントかと思います。

それは、追いつめる側の恐怖と、追い詰められる側の恐怖

主人公は当然、お約束として事件の黒幕を探るわけですが…同時に舞台は人狼ゲームの中。周りの村人からは常に人狼ではないかと疑われ上、人狼サイドからも殺されるリスクがあります。

そして、ループという本作の性質上、何度も各登場人物が役割を変えながら、周回するたびに違う顔を見せてきます。

それは主人公やヒロインも例外になく…。

頼もしい味方が早々に殺されてしまったときや、意外な人物が人狼だったときの絶望感。そして得体の知れない、異形の者の影。

ホラー作品として見ても、ガッツリとプレイヤーを震え上がらせてくれる出来となっています。

 

 

学びポイント
  • デスゲームのルールを最大限に活かした、殺るか殺られるかの恐怖。物語の設定をうまく生かし、オリジナリティの高い恐怖を生み出せる。
  • 人物の二面性を描くことで人の恐さが増幅する。




 

リンダキューブアゲイン (PCE、PS、SS)

今回最後の作品はこちら!ホラーもありますが、どちらかというと狂気多めの作品、リンダキューブアゲインを見ていきましょう!

※ 正確にいうと、「リンダキューブアゲイン」はPCエンジンのソフト「リンダキューブ」のリメイク作品となります。今回はまとめてリンダキューブアゲインとして紹介させて頂きます。



 

ストーリー概要

本作はいわゆるRPGというジャンルのゲームになるんですが、ストーリーがかなり異色。

まずはPSストアの紹介文から抜粋。
ひとつの惑星が死んだ―。直径200kmの隕石が、地上の動物を完全に抹殺したのだ。これは、その星の動物たちを救うために、たった二人で戦った少年と少女の物語である。滅亡まであと8年―。心地よい緊迫感を呼ぶリアルタイムストーリー進行。狂気、愛憎、未来。複雑に伏線が絡み合った3つのパラレルなシナリオ。
 

ポイントは、「星の動物たちを救うため」というところ。惑星が滅亡するのを救うのではなく、滅亡するのは避けられないけど種の保存を試みよう、というのが主な目的になります。

主人公とヒロインは、たった2人の最後の人類として選ばれ、可能な限り動物をつがいで捕獲して箱舟(脱出用宇宙船)に乗せるという使命に取り組むわけです。

なんとも退廃的な世界観が、SF好きを中心にそそりそうな話なんですが…本作は3本のパラレルワールドのシナリオから成り立っています。

実は、この3本のストーリーがそれぞれ狂気そのもの初代PCエンジン版は、アダルトゲームでもないのに18歳以上推奨ゲームでしたが、その理由は「ショッキングなシーンが多いから」

何が、というと語るに落ちるのでぜひ体感して頂きたいところですが…どんなものか感じたいという方はまずは↓の公式サイトをご覧になってみてはどうでしょう。



 

さわりだけでも雰囲気が伝わるよう、公式サイトから作品内の印象的なフレーズをここに引用させて頂きます。
シナリオA 死体は探すより作る方が簡単なのサ。
 
シナリオB 愛する者が死ぬと、みんな泣くのね。
 
シナリオC あなたに逢えて、本当によかった。
 

それにしても…1995年発売のソフトの公式サイトがこれだけ洗練されたデザインで残っているわけですから、この作品の人気が伺えますね。

 

 

管理人的感想

これは確か、中学生のころにPS版をプレイしました。友人に貸したら友人も大いにハマり、一時期は仲間内でちょっとしたブームに。

動物の奇妙なデザインに違和感を覚えながらも、「ちょっとノリの変わったポケモンやろー」ぐらいの気持ちでプレイしていた矢先に出てくる、揃いも揃って病んでいる人々

あっという間に中二ゴコロが掴まれたわけですが、次の瞬間には中二どころじゃ済まない、サイコでグロテスクな世界へ。

狂っているのに美しく、切ない…先が気になるストーリーから抜け出せなくなっていました。

かなり攻めた内容のゲームといえますが…現代の最新ゲーム技術をつかってこれぐらい攻めた作品がプレイできたらどんな感覚になるんだろう…と、メーカーさんの挑戦に期待をしていまいます。

王道ゲームもいいですが、時々リンダキューブの狂気が恋しくなる今日この頃です。

 

学びポイント
  • 行き過ぎた愛情、歪んだ完成が作り出す人間の狂気


 

次回予告



さて、今回の4選は以上になります。ホラー&狂気編は本数が多く、後編と続くわけですが…次回のラインナップだけ予告!
  • ドラッグオンドラグーン
  • SIREN
  • スーパーダンガンロンパ2
  • デメント
お楽しみに!

 

 

おわりに

ホラー&狂気編の前編ということで、4本の作品をご紹介しました!

いずれ劣らぬ恐ろしい作品がそろったわけですが…共通して言えるのは、怖いうえに面白い!

小説の作品内でも、怖いシーンやキャラクター設定だけでなく、物語性も加わってくるとより作品の質も上がってくるといえそうですね。

 

 

本日の記事は以上です。最後まで読んで下さりありがとうございました!散髪の成功率15%@管理人kei